どんな入れ歯洗浄剤を使用するかを考える前に、必ず専用ブラシで入れ歯を磨き、汚れをしっかりと落とすことが大切です。
食べかすや汚れが付着した状態で入れ歯洗浄剤を使用しても、十分な洗浄効果を得ることはできません。まずはブラシで汚れを落してから、入れ歯洗浄剤を使用しましょう。
このページでは2023年最新の入れ歯洗浄剤をご紹介します。入れ歯洗浄剤は年々進化しています。
かつては浸けるタイプが主流でしたが、入れ歯に吹き掛けたり塗布するタイプや、持ち運びに便利なアイテムが登場している点に注目です。逆に言えば、浸けるタイプは成熟しきったと言えるかも知れません。
入れ歯洗浄剤は、小林製薬とGSK社の2社が多くのシェアを占めています。GSKが新しく発売した製品が「ポリデント入れ歯の歯みがき」です。
この製品には、歯科医師の私（理事長）でも驚きました。
一般的に歯磨き粉で磨くと入れ歯が傷つき、汚れが付きやすくなるため、患者さまには歯磨き粉で磨かないようにお伝えしています。GSK社は「歯磨き粉で入れ歯を磨いてしまう方が多いなら、入れ歯を磨ける歯磨き粉を作ろう」という逆転の発想で、「ポリデント入れ歯の歯磨き粉」を製品化したのです。
入れ歯に傷がつきにくく、かつ細菌を効果的に除菌する特徴があります。
他社の同種製品を調べたところ、小林製薬で類似した用途・成分の製品が発売されています。
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続いてご紹介するのは同じくGSK社が発売した「デンタルラボ 泡ウォッシュ」です。
この製品は、食後や外出中などさっと洗いたい時に！という謳い文句で売り出しています。着眼点に非常に独自性のある商品と言えます。
患者さまの多くは、ご自宅ではそれほど頻繁に入れ歯を洗うことはないでしょう。しかし、外出先で食べ物が挟まったり、臭いが気になった場面でお手洗いでさっとケアしたいと思うことがあるのではないでしょうか。その意見を汲んで開発したのが、泡で60秒で洗浄できるこの製品です。
使用対象は部分入れ歯、矯正用リテーナー、マウスピースです。
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こちらの歯磨き粉は、帰宅後に入れ歯を外し、残存歯（ご自分の歯）を磨く際に使用する製品です。
部分入れ歯を使用している方の残存歯は、確かに歯周病や虫歯になりやすいと言えます。そのリスクに対応した歯磨き粉です。
虫歯に対する成分としては、フッ素濃度が1,400ppmと非常に高いです。従来は国内では1,000ppm以下の歯磨き粉しか販売できませんでしたが、現在はそれ以上のフッ素濃度の製品が販売されるようになりました。
歯周病に対しては、グリチルリチン酸モノアンモニウムとイソプロピルメチルフェノールが効果を発揮します。
例えば、こちらの写真は90歳を超えた患者さまで、部分入れ歯を外したときの様子です。
本来ならば抜歯しなければならない歯もありますが、骨粗鬆症用の薬（ビスフォスフォネート製剤）を服用していらっしゃるため、抜歯などの外科処置が困難です。
こうした患者さまにも、デンタルラボ 泡ウォッシュとデンタルラボ薬用歯磨きを併用したケアは適していると考えます。
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花王が発売した部分入れ歯用洗浄剤です。従来の入れ歯洗浄剤と異なるのは、入れ歯にスプレーできるという点です。
今までは、水またはぬるま湯に洗浄剤を入れ、その中に入れ歯を浸けるため、外出先などでの使用は難しかったと思います。こちらの製品ではスプレーして5分待つだけですので、時間と手間の軽減を図ることができます。
朝昼晩3回の使用が求められていますが、私のおすすめは、朝と昼はコチラの製品で手軽にシュシュっと洗浄し、就寝前は今までと同様の入れ歯洗浄剤に浸ける方法です。
成分を見ると界面活性剤（洗剤と同等）配合で弱アルカリ性のため、除菌作用が強力とは思えません。そのため、就寝前は入れ歯洗浄剤に浸けた方が安心かと考えます。
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この入れ歯洗浄剤が最もポピュラーかも知れません。
酵素入りのため、入れ歯に付着した汚れを分解する能力に長けています。強力除菌という特徴は洗浄剤として魅力的であり、漂白効果もあるため、入れ歯洗浄剤の中でも安心して使える製品であると思います。
小林製薬の「タフデント」も酵素が配合されています。こちらは部分入れ歯用ではなく総入れ歯用と考えて良いでしょう。
「ポリデントとタフデントのどちらが良いんですか？」と患者さまに聞かれることがあります。私の考えでは、２つの製品に大差はないと思っています。それよりも、入れ歯洗浄剤を使用する前にブラッシンなどで汚れや食べかすを落とし、洗浄剤が浸透しやすくすることが重要と考えます。
