2025年08月05日 2025年08月07日
Q
入れ歯とインプラントは、
どちらが良いのでしょうか?
A
多くの患者さんから入れ歯とインプラント?どっちが良いの?と質問を多く受けます。私は、補綴(入れ歯)歯科学会とインプラント学会の両方の専門医を所得しているので、両方の専門的な知識と経験から意見を求められることがあります。
さて、入れ歯とインプラントは、どちらが患者さんにとって向いているのか?良いのでしょうか?
最近、私はその答えが入れ歯やインプラントにあるのではなく、患者さんの中にあるような気がしています。
是非、ここで自分にとって入れ歯とインプラントどちらが良いのか?を判断して頂ければ良いと思います。
目次
- 1 インプラントとは?
- 2 入れ歯とは?
- 3 インプラントのメリット・デメリット
- 4 入れ歯のメリット・デメリット
- 5 喫煙者は、入れ歯?インプラント?どっち?
- 6 骨粗鬆症の薬を飲んでいる人は?
- 7 年齢は、インプラント・入れ歯に関係あるのか?
- 8 骨がある?骨がない?腕がある?腕がない?
- 9 インプラントは、外科手術が必要⁉
- 10 インプラントは、老後悲惨?
- 11 入れ歯とインプラントの噛む力は?
- 12 「インプラント補綴症例における咬合の評価」
- 13 入れ歯とインプラントのお手入れは?
- 14 インプラントと入れ歯の見た目は?
- 15 インプラントと入れ歯の治療期間は?
- 16 インプラントと入れ歯の耐久性は?
- 17 インプラントと入れ歯の費用は?
- 18 インプラントができる人・できない人
- 19 1番奥の7番目の歯を失った際の選択は?インプラント?入れ歯?
- 20 奥から2番目の6番の歯を失った際の選択は?インプラント?入れ歯?
- 21 入れ歯とインプラントどちらが良いのか?まとめ!
インプラントとは?
そもそもですが、インプラントに関する認識が間違っている患者さんがいらっしゃいますので、ここでしっかりとインプラントに関する知識をアップデートしましょう。インプラントは、人工歯根と呼ばれるチタン製のネジを骨の中に埋め込み、骨と人工歯根が結合してからかぶせ物を作製してセットします。動画を見ていただけるとより理解しやすいと思います。
よく差し歯とインプラントを勘違いされている患者さんがいらっしゃいますが、差し歯は、ご自分の歯の根を用いてかぶせ物をしますが、インプラントはご自分の歯の根がないですので、人工歯根を埋め込んでかぶせ物を製作する違いがあります。
入れ歯とは?
入れ歯にも部分入れ歯と総入れ歯があります。動画は、部分入れ歯になります。バネがあり歯にバネを引っ掛けて停める機能があります。インプラントは、このバネが必要ないので部分入れ歯に比べると天然の歯に近く煩わしさがないというのがポイントになります。
部分入れ歯は、バネを使用するので、バネをかけた歯がダメになりやすいです。入れ歯を着脱するたびに歯に余計な力が加わってしまいます。余計な力を加えたくない場合は、インプラントを選択する余地があります。
総入れ歯は、歯が全くないために入れ歯のバネが一切ありません。歯が1本でも残っていればバネをかけて部分入れ歯になりますが、1本も残っていなければ総入れ歯となります。
インプラントの
メリット・デメリット
インプラントメリット
- 隣の歯を削らない
- 違和感が入れ歯に比べて少ない
- 見た目が天然の歯に近い
- 噛む力が天然の歯に近い
- 定期的なメンテナンスで長期使用できる
- 他の歯への影響が少ない
- 外す必要がない
- 歯ブラシがやりやすい
インプラントデメリット
- 外科手術が必要となる
- 腫れる
- 出血する
- 時間がかかる
- 骨と結合しない時もある
- 思うような見た目を獲得できない時もある
- 定期的なメインテナンスに通わないといけない
- 保険が効かないので保険外の自費となる
- インプラントは一生物ではありません
- かぶせ物はやりかえが10年に1度必要である
- 骨がない場合は、骨の造成が必要になる
- インプラント手術だけでなく、かぶせ物など多岐に渡る総合治療が必要となる
入れ歯の
メリット・デメリット
入れ歯メリット
- 取り外しができる
- すぐに外して洗える
- 掃除がしやすい
- 修理がしやすい
- インプラントに比べて安く治療ができる
- 目立ちにくい入れ歯もある
入れ歯デメリット
- 外れやすい
- 壊れやすい
- 削れやすい
- 喋りにくい
- 食べにくい
- 歌いにくい
- バネのかかる歯は、より一層丁寧な歯ブラシが必要となる
- 定期的なメンテナンスに通う必要がある
喫煙者は、
入れ歯?インプラント?どっち?
タバコを吸われる方は、残念ですがインプラントはあきらめましょう。残念ですがタバコを吸われている方のインプラント成功率は、確実に下がります。では入れ歯なら喫煙して良いかと言われると部分入れ歯の患者さんは、タバコを吸われると残っている歯がどんどん失われていきますので、できれば禁煙されて残りの歯を大事にして欲しいというのが本音になります。
そのため、インプラントをする!入れ歯を作る!どちらを選択したとしても、これを機会に禁煙していただきたいです。
喫煙に関しては、百害あって一利なしです。
詳しくは、インプラントと喫煙を参照してください。
インプラントと喫煙(タバコ)
骨粗鬆症の薬を
飲んでいる人は?
骨粗鬆症の薬にも様々あります。骨粗鬆症の際に服用する骨吸収抑制剤を投与・服用される患者さんに外科的処置(抜歯やインプラント治療)を行うと薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)を引き起こすリスクがあると報告があり、それ以来骨粗鬆症の薬を飲んでいる患者さんにインプラントを行う際は、非常にシビアに服用されている薬や投与されている薬に気をつける必要があります。
そのため絶対にインプラントができないわけではありませんが、入れ歯治療を望まれる患者さんが多いです。もし、骨粗鬆症のお薬を服用されている場合は、歯科医師にその薬の名前などを詳しく伝えて相談したのちに入れ歯かインプラントの治療方法を決められると良いと思います。

年齢は、インプラント・
入れ歯に関係あるのか?
高齢な方は、インプラントができませんなどとおっしゃる方がいますが、年齢でインプラントができる?できない?は関係ありません。高齢になられると基礎疾患が増えるとの認識で、インプラントができないと思われがちですが、実はそんなことはありません。高齢な方でも健康な方は、たくさんいらっしゃいますので、問題なくインプラントを行うことができます。
骨に関しても生きている限り、骨芽細胞と破骨細胞がリモデリングを繰り返しますので、高齢の方でも体力に自信のある方は、インプラントを選択される方がいます。傷の治りなどは、若い方(20代30代)に比べると確かに遅いですが、それでもしっかりと治ってきます。
年齢が高いので入れ歯しかできないというのは、若干語弊があると思います。年齢が高くてもインプラントを選択される方もいますし、若くても入れ歯を選択される方もいます。

骨がある?骨がない?
腕がある?腕がない?
骨があるか?ないか?によりインプラントができる?できない?が決まることが良くあります。また、最近では骨がなくても骨の造成にて骨を作ることができますが、それにも色々な制約があり全ての方で骨の造成ができるかというとそんな事もありません。骨がない症例にインプラントを行うには、それなりに歯科医師の経験と知識と判断が必要になります。
変わって入れ歯も骨がない症例は難症例と言ってなかなか入れ歯が安定しないので、噛むたびに痛みを伴うことがあります。歯科医師の骨を折るのが、この骨がない症例で多くの入れ歯専門医が骨のない症例にチャレンジをしますが、なかなか上手くいかない事があります。

つまり、入れ歯でもインプラントでも骨のない症例は、難症例といって難しい治療になり、歯科医師の腕が問われる事になります。ここが歯科医師の腕の見せ所で、誰もが骨のない症例で良い治療結果が出せるわけではない事をご理解ください。
インプラントは、
外科手術が必要⁉
インプラントを行うにあたり、絶対に外科手術が必要になります。患者さんは手術という言葉に敏感になります。やはり日々の生活の中で、血を見ることは少ないので、やはり抵抗感を持つのは当たり前だと思います。なので外科が必要と聞いた際に自分は、苦手だなと思われる患者さんは、インプラントではなく入れ歯を選択した方が賢明だと思います。
入れ歯を選択した場合は、外科が必要ないのか?というと抜歯などの外科が必要なことがありますので、完全に外科処置がないわけではありません。入れ歯においても外科が必要なケースもあり、上あごの骨隆起を削ったりすることもあります。

インプラントは、必ず外科処置が必要になりますが、入れ歯であっても抜歯や骨隆起の削除などと場合によって必要となることがあります。最近では、インプラントにおいて最小限の外科処置をシュミレーションにより計画を立てて行う治療技術も発展してきておりますので、詳しくは主治医の歯科医師と良く相談しましょう。
インプラントは、老後悲惨?
自分が介護になった際に、インプラントを行っているとお掃除が大変だと聞いたことはありませんか?訪問歯科で患者さんを拝見していると確かに介護になった患者さんは、ご自分でお掃除ができないので、我々や身内の方が、お口の中の清掃を担当する事になり、慣れない方はやはり歯ブラシで磨いてあげる事が難しい事があります。実際、これはインプラントでも天然の歯でも同じような事が起こります。なのでインプラントだから老後悲惨かというとそうでもなく、天然の歯でも同じように介護者が苦労されていると思います。
ベットを少し起こして患者さんがむせないように歯を磨くのは、我々でも難しく感じますので、慣れるまでは介護者の方も相当難しいと思います。また、唾液が溜まったりする際に、バキュームなどで吸う機械が自宅にあれば良いですが、なかなかそういう機械が備わっている自宅も少ないと思います。

老後だけの事を考えると総入れ歯が、パッと外せてパッと洗えるので非常に介護者もご自分も楽だと思いますが、それまでの食事を楽しむ事を考えるとインプラントが断然有利となってきます。しかし、入れ歯でも十分食事を楽しめる方もいますので、一概にインプラントが良い、入れ歯が良いとは言えないのが現状としてあります。
患者さんの人生において、インプラントが良いのか、入れ歯が良いのか?は人それぞれの選択によって変わってきます。どちらが良いのかをしっかりと主治医の歯科医師と相談して治療方針を決定していくのが良いと思います。
入れ歯とインプラントの
噛む力は?
入れ歯の噛む力は天然の歯と比較すると、部分入れ歯で30〜40%、総入れ歯で10〜20%程度と言われています。それに対してインプラントは、天然の歯とほぼ同程度と言われています。
果たして天然の歯に対してこの噛む力は、本当なのでしょうか?インプラントの専門医らしく、日本口腔インプラント学会誌に掲載されている論文を紐解いてみたいと思います。

「インプラント補綴症例における
咬合の評価」
片側性遊離端欠損におけるインプラント補綴物と部分床義歯の比較
中川晃成、木村欣史、一瀬暢宏、松岡建介、西村賢二、井原功一郎
どんな研究か?
片側の奥歯を失った際に、インプラントと部分入れ歯を行った噛む力を比較した。
対象と方法
対象は、1997年4月から1999年12月までに治療を行った患者さん31名です。

対象の選択基準
- 奥歯2本欠損以外に、入れ歯やインプラントを行っていない。
- 入れ歯の患者さんは、山本の咀嚼能率判定表を用いて硬度5以上の食品を過半数以上食べられる。
- 天然の歯の歯周病治療が終了している。
噛む力の測定には、咬合力診断用フィルムデンタルプレスケール50HタイプR、その解析には、オクルーザーを用いた。
I群:片側奥歯に歯がなくインプラントをした人
PD群:片側奥歯に歯がなく部分入れ歯をした人
FN群:片側総入れ歯で、その対合が天然歯の人
FD群:上下総入れ歯の人
ND群:上下天然の歯の人
上記の5つに分けて咬む力の評価をした。
結果
咬む力は、ND群(天然歯)が1番噛む力が強かった。
次いでI群(インプラント)
次いでPD群(部分入れ歯)
次いでFN群(片側総入れ歯で、その対合が天然歯)
次いでFD(総入れ歯)の順に小さな値を示した。
もっと詳しく知りたい方は、こちらから論文を読んでみましょう。
インプラント補綴症例における咬合の評価
結論
かぶせ物後の総咬合力は、部分入れ歯症例よりもインプラント症例の方が大きかった。
考察
- 片側に歯がない時の治療は、天然歯に近い咬む力の獲得、左右で均衡した咬合力の獲得、残っている歯の保存という観点から、部分入れ歯よりもインプラントの方が有効であると示された。
- かぶせ物をした大臼歯部の咬合負担率は、部分入れ歯よりもインプラントの方が大きかった。
- かぶせ物をした最後方歯の咬合力負担は、部分入れ歯では増加したが、インプラントは減少した。
- 噛み合わせのバランスは、部分入れ歯は正常機能範囲外だったが、インプラントは正常範囲内だった。
以上のことから、今回の解析項目において、I群(インプラント)およびPD群(部分入れ歯)における両者の欠損範囲は、異なっていたが、インプラントは十分噛めている患者自身が評価している部分入れ歯よりも良好な結果が得られることがわかった。
入れ歯とインプラントの
お手入れは?
入れ歯もインプラントも治療を受けた後のお手入れがしやすいか?しにくいか?は非常に皆さん興味あると思います。
例えば総入れ歯とインプラントのオールオン4治療を比較しましょう。
総入れ歯は、外して入れ歯ブラシで磨いて入れ歯洗浄剤に一晩つけるだけと考えると非常にお手入れが楽です。
それに対してオールオン4は、歯の部分をしっかりと磨いてその後にウォーターピックなどで、インプラントとかぶせ物の間の汚れを綺麗に落とします。

就寝する時は、ナイトガードを装着します。となるとやはりインプラントのオールオン4の方がお手入れは複雑で、高齢になればなるほど難しく感じるのではないでしょうか?しかし、これも人によって感じ方は、まちまちですので一概にインプラントの方がお手入れが難しいと考えるのも間違っているのかも知れません。
インプラントと入れ歯の
見た目は?


総入れ歯とインプラントのオールオン4治療のかぶせ物を比較してみましょう。
ぱっと見いかがでしょうか?どちらも天然の歯に見分けがつかないくらいキレイだと思いませんか?
総入れ歯でも保険外ですと人工の歯がより天然の歯に近いテイストになります。インプラントのオールオン4治療のかぶせ物は、ジルコニアセラミックで仕上げているので、非常にキレイで天然の歯に近いですね。
どちらも見た目は、天然の歯と見分けがつかないくらいキレイに仕上がりますね。人工のピンクの歯肉の部分も総入れ歯もリアルにもこもこして本物の歯肉のようですね。インプラントのオールオン4治療の人工のピンクの歯肉の部分も天然の歯肉に近いテイストが再現されていると思います。
インプラントと入れ歯の
治療期間は?
総入れ歯
治療期間:約1ヶ月
- 初診時・資料集め
- 精密な型とり
- かみ合わせ採得
- 人工歯排列試適
- 完成
- 調整
- メンテナンス
インプラントのオールオン4
治療期間:約3〜4ヶ月
- 初診時・資料集め(CT)
- 手術・上部構造セット
- 消毒・調整
- チェック
- インプラント印象
- かみ合わせ採得
- 排列試適
- 完成
- 調整
インプラントと入れ歯の
耐久性は?
入れ歯材料の主成分は、プラスティックになります。インプラントのかぶせ物は、ジルコニアセラミックが主流になりますので、明らかにインプラントのかぶせ物の方が強度があり耐久性に優れています。しかし、インプラントかぶせ物のジルコニアも入れ歯のプラスティックも一生涯持つものではありません。
私の主観ですが、10年くらいでやりかえの時期が来ますよ!と患者さんに伝えるようにしています。車と一緒で毎日毎日乗っていればタイヤもすり減りますし、部品も消耗します。インプラントかぶせ物のジルコニアもそうですが、毎日毎日噛んでいればすり減りますし、中ネジなどの部品も消耗します。入れ歯も噛む人工歯の部分は、プラスティックが主成分ですのでどんどんすり減ります。すり減ったら交換もしくは新しい入れ歯の作製が必要になります。

インプラントと入れ歯の
費用は?
インプラントの費用
インプラント1本の費用は、東京都内ですと
全部で約35〜45万円位が平均的な値段だと言われていますが、これ以外に費用が別途かかる場合があります。
例えば、
- 仮歯費用が別途かかる 約50,000円
- 骨の造成費用がかかる 約100,000〜200,000円
- 前歯の加算費用がかかる 約100,000円
- 歯肉移植の費用がかかる 約100,000円
- 静脈内鎮静法の費用がかかる 約100,000円
- ガイドの費用がかかる 約50,000円
- 土台の費用がかかる 約50,000円
歯科医院により、インプラント以外にかかる費用設定はまちまちですので、他の歯科医院と比較をするのが難しいという現実があります。
インプラント1本10万円と表示されていても、別途で費用が発生する場合があります。なので合計で1本いくらかかるのか?で比較する必要があります。インプラントと入れ歯を比較するとどうしてもインプラントの方が費用が多くかかります。
入れ歯の費用
入れ歯費用(保険外)は、東京都内ですと30〜108万円が平均的な値段だと言われています。インプラントと比較してこれ以外に別途かかる費用が安価なのも事実です。
例えば、
- 抜歯の費用がかかる 約2,000円程度
- 磁石の費用がかかる 約5,000円程度
- アタッチメントの費用がかかる 1本 約10,000万円程度
とインプラントに比べると入れ歯で別途かかる費用は、安価となります。
インプラントが
できる人・できない人
インプラントできる人
- 心身ともに健康な方
- しっかりと歯ブラシできる方
- 虫歯が少ない方
- 歯周病がコントロールされている方
- 顎の成長がストップした18歳以上の方
- ナイトガードの装着ができる方
- 妊娠されていない方
- メンテナンスを受けることができる方
- タバコを吸わない方
- 骨がある方
- 骨の造成ができる方
- 時間や期間的な余裕がある方
インプラントできない人
- コントロールされていない糖尿病や高血圧の方
- 骨粗鬆症の薬(ビスフォスフォネート)を服用している方
- 骨粗鬆症で骨密度が低い方
- ご自身で歯ブラシなどのメンテナンスができない方
- 歯周病がコントロールされていない方
- 虫歯が多数ある方
- ナイトガードの装着ができない方
- 18歳以下の方
- 顎の成長がストップしていない方
- 妊娠中の方
- タバコを吸われる方
- メンテナンスを受けることができない方
- アレルギーで麻酔ができない方
- 転勤や転居を考えている方
1番奥の7番目の歯を
失った際の選択は?
インプラント?入れ歯?
1番奥歯を失った場合は、ブリッジができません。となると部分入れ歯かインプラントの選択肢になります。1番奥の歯を初めに失う患者さんが多いです。理由は、歯ブラシが1番奥なので届きにくいのが原因だと思われます。
1番奥の歯を失って部分入れ歯を選択される患者さんは、手前の6番目の歯にバネで固定します。多くの患者さんは、バネの違和感を訴えて、使用を途中で諦めてしまう方も少ないです。すると上の歯が伸びてくるので、顎関節や噛み合わせにトラブルが起きます。というわけでインプラントが第一選択肢となります。

1番奥歯でブリッジも入れ歯も難しいとなるとインプラントが1番違和感も少なく使用ができます。
1番奥歯ですので、インプラントのかぶせ物をセットした後は、ナイトガードの夜間就寝時の装着は必須となります。
奥から2番目の6番の歯を
失った際の選択は?
インプラント?入れ歯?
奥から2番目の6番目の歯を失った場合は、選択肢がブリッジ・部分入れ歯・インプラントと3種類になります。1番奥歯の7番目の歯を失った時と違い、ブリッジという選択肢が加わります。部分入れ歯は、1番奥の7番目の歯と5番目の歯にバネをかけます。やはりバネに違和感を感じてしゃべりにくいとおっしゃる患者さんが多いです。
ブリッジは、1番奥の7番目の歯と5番目の歯を削ってかぶせ物で橋渡します。そのため歯のない部分は汚れが溜まりやすいとおっしゃる患者さんが多いです。インプラントは、歯ぐきを開いて外科手術を行うために、多くの患者さんが怖いとおっしゃいますが、歯の形態が天然の歯に近いので違和感が少ないとおっしゃる患者さんが多いです。

といった具合に奥から2番目の歯を失った場合は、3つの選択肢があります。どの治療を選択するか?非常に迷われると思います。
私のおすすめは、まずは歯を削らない!外科手術を伴わない、部分入れ歯を装着してみて、慣れない!違和感が強い!噛めない!ということで他の2つの治療を選択しても遅くはないのではないか?と考えています。
インプラントやブリッジの治療を行ってから、再度他の治療方法を行うのは難しいです。
入れ歯とインプラント
どちらが良いのか?まとめ!
いかがでしたでしょうか?ご自分にとって何が1番良い治療方法なのか?は、ご自分自身の中に答えがあると思います。入れ歯もインプラントも非常に良い治療方法ですので、ご自分にピッタリな治療を選択しましょう。もし迷ったら、私は入れ歯を選択することをオススメします。なぜなら、後戻りができる治療だからです。
入れ歯をセットした後でもインプラントはできますが、インプラントをしてから、入れ歯に戻るのは難しいので、迷われたら入れ歯を選択するのが得策かも知れません。

田中 健久
Takehisa Tanaka
入れ歯なんでも相談室をご覧頂きありがとうございます。渋谷にて開業して20年以上経ち、多くの患者さまにご来院頂いたことを感謝申し上げます。
私は、日本補綴(かぶせ物・入れ歯)歯科学会と日本口腔インプラント学会の両方の専門医を取得しています。そのため入れ歯とインプラント両方の専門医として皆さんの相談に答える事ができます。両方の学会の専門医を取得している歯科医師は、非常に稀です。
よくインプラントは良くない!入れ歯は噛めない!などとおっしゃりますが、私の意見としては、それぞれ利点・欠点があり、患者さまによって全然違います。なのでそれぞれ自分に合った治療方法は、何かを理解した上で治療方針を決定すべきだと考えております。
両サイドから相談にのる事ができますので、どうぞお気軽に相談してください。
【所属学会・資格】
- 日本補綴歯科学会 専門医
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎咬合学会 咬み合せ認定医
- 日本歯周病学会
- 日本臨床歯周病学会
- *スタディグループ
- 5DJapan-DentureCourseSaporter
【経歴】
- 1999年:岩手医科大学卒業
- 2004年:東京医科歯科大学大学院卒業
- ニューヨーク大学インプラント審美卒後研修修了
- ペンシルバニア大学卒後研修修了
- テンプル大学大学最新歯科治療コース修了
- ブカレスト大学医学部インプラント科卒業
- ハーバード大学インプラントプログラム修了
- いいやま歯科医院:勤務
- 青山通り歯科タナカ:院長
- 渋谷歯科タナカ:院長
- 医療法人社団まる歯:理事長