保険で入れ歯を作ってくれる名医を知りませんか? | 渋谷歯科 | 平日夜7時・土日も診療の渋谷の歯医者

2025年06月30日 2025年09月11日

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保険で入れ歯を作ってくれる
名医を知りませんか?

A

保険の入れ歯を丁寧に作ってくれる歯科医師は、近年とても少なくなってきているように思います。
以前は、保険診療でもきちんと手順を踏んで作製し、「しっかり噛める入れ歯」を提供する歯科医師が数多くいました。

しかし、時代の流れとともに入れ歯治療の人気は下がり、多くの歯科医師がインプラント治療に関心を持つようになりました。そのため、入れ歯の臨床経験がほとんどない歯科医師も増えてきています。
大学教育でも入れ歯に関する授業は減少傾向にあり、学生時代に入れ歯を作った経験が乏しい歯科医師も少なくありません。

さらに、かつて「入れ歯の名医」と呼ばれた先生方の高齢化・引退も進んでいます。
長年第一線で活躍してきたレジェンドたちが現場を離れ、新しい世代への移行期を迎えているのです。

そのため現在では、保険の入れ歯を丁寧に作れる歯科医師はもちろん、自費の入れ歯に精通した歯科医師も非常に少なくなっているのが現状です。

また、保険を入れ歯で作ってくれる名医を探すのなら、近いからで選ぶのではなく、入れ歯の技術に長けた歯科医師を探す必要があります。

詳しい解説はこちら

保険で入れ歯の名医とは?

保険で「よく噛める入れ歯」を作ってくれる名医は、今では本当に限られた存在になってしまったように思います。
保険診療の入れ歯は、使える材料や方法に制約があるため、その条件の中で”問題なく噛める入れ歯”を仕上げるのは至難の業です。私が若い頃には、保険であっても見事に噛める入れ歯を作る先生方がいらっしゃいました。

全国から患者さんが集まるほど評判で、その技術はまさに匠の域。
私も何度か見学に伺いましたが、真似しようとしても到底及ばないほどの熟練した腕前でした。ただ、当時は材料費や技工料が今ほど高騰していなかったこともあり、可能だったのだと思います。
現代では保険診療だけにこだわると採算が合わず、どうしても自費診療を取り入れる必要が出てきます。結果として「保険の入れ歯の名医」は少なくなってしまったのが現実です。

それでも、かつて存在した”保険でもよく噛める入れ歯を作る名人”の姿は、今も鮮明に記憶に残っています。
時代が変わっても、その志や技術は受け継いでいきたいものです。なお現在の保険制度では、入れ歯治療にこだわればこだわるほど赤字になるという厳しい現状があります。世界的に見ても非常に安価で素晴らしい入れ歯治療を受けられる日本の保険制度を守るためには、皆さんが素晴らしい入れ歯治療を確保して欲しいという願いを国に届ける必要があります。

入れ歯作りを支える
“影の職人”歯科技工士

入れ歯の型を採ったり、かみ合わせを確認したりするのは歯科医師の仕事ですが、実際に入れ歯を形にしているのは「歯科技工士」です。
歯科技工士さんにも得意分野があり、若い頃から入れ歯作製を数多く手がけてきた方と、かぶせ物やつめ物を中心に作ってきた方とでは、やはり技術に差が出ます。
中には、入れ歯作りに”匠の技”を持つ方もいらっしゃいます。私もこれまでに多くの歯科技工士さんと仕事をしてきましたが、その中でも特に入れ歯が得意な方は、近年高齢化が進み、以前のように多くの入れ歯を手がけることが難しくなっています。実際、知り合いの技工士さんも、月に製作できる数を制限しているほどです。

さらに現実的には、自費診療の入れ歯が優先されることが多く、保険の入れ歯はどうしても納期が遅くなってしまうという事情もあります。現在、日本の歯科技工士の半分以上は50歳を超えており、後継者不足が大きな課題です。
若手の歯科技工士は、入れ歯よりもインプラントやセラミックの製作を好む傾向にあり、”入れ歯職人”はどんどん少なくなっています。入れ歯治療を支える陰の立役者として、これからも匠な腕を持った歯科技工士が育ってくれることを願うばかりです。

総入れ歯・部分入れ歯の名医

入れ歯には大きく分けて、次の2種類があります。


部分入れ歯:歯が1本でも残っている場合に作る入れ歯
総入れ歯:歯が1本も残っていない場合に作る入れ歯


同じ「入れ歯」でも必要とされる技術は少し異なります。そのため歯科医師の中には「総入れ歯が得意」「部分入れ歯が得意」といった分野があるのです。大学病院のような大きな施設では、診療科自体が分かれていることもあります。
昔は「総入れ歯の名医」に憧れる歯科医師が多く、「いつかあんな素晴らしい入れ歯を作りたい」と夢を抱くのが一般的でした。
現在ではインプラントが人気を集めていますが、入れ歯治療にも奥深い世界があります。

部分入れ歯には、バネを使わないタイプや磁石を応用したタイプなど、さまざまな工夫があります。。
そのため、こちらも歯科医師ごとに得意・不得意が分かれる領域です。
実は、治療の複雑さという点では、総入れ歯よりも部分入れ歯の方が難しい場合もあります。
もちろん、総入れ歯も部分入れ歯も、患者さんが快適に使えるように仕上げるには高度な技術が必要です。
歯科医師たちは日々研鑽を重ね、両方においてより良い治療を目指しています。ただ、少しずつ得意分野が違う事を知っておいていただけるとありがたいです。

保険の入れ歯を作ってくれる
名医を見分けるコツ

1. 日本補綴歯科学会
(入れ歯・かぶせ物)の専門医

日本で入れ歯やかぶせ物に関する学会の中で最大規模を誇るのが「日本補綴歯科学会」です。
この学会が認定する「専門医」の資格を持つ歯科医師は、入れ歯やかぶせ物の治療に精通していることが多いといえます。
大学院時代から補綴(入れ歯やかぶせ物)の分野を専門的に学び、実際に多くの症例を経験することで、知識と技術を磨いています。さらに、学会の専門医を取得するためには、症例発表や症例提出、筆記試験など、厳しい基準をクリアしなければなりません。
そのため、専門医の称号を得るのは決して簡単なことではなく、いわば「狭き門」といえるのです。
補綴学会の専門医であることは、入れ歯やかぶせ物の治療において信頼できる一つの目安になるでしょう。

2. 補綴科の博士号を取得している

補綴科の博士号を取得するためには、大学院で数年間にわたり研究に取り組む必要があります。研究内容は所属する診療科によって異なりますが、私は「補綴科(入れ歯やかぶせ物)」に所属していたため、大学院時代から入れ歯やかぶせ物を専門的に学んできました。夜遅くまで文献を読み、研究を重ね、実際に入れ歯を製作する――そのような日々を4年間積み重ねた経験が、今の診療の基盤になっています。
その結果、他の分野を専門にしてきた歯科医師に比べ、入れ歯やかぶせ物に関してはより多くの知識と経験を積むことができたと自負しています。大学院で培ったこの経験は、今も患者さんにより良い治療を提供するために活きています。

3. 入れ歯の症例写真が
掲載されている

これはどの診療科でも共通していますが、歯周病が得意な歯科医師はホームページに歯周病の症例を掲載しますし、入れ歯が得意な歯科医師は入れ歯の症例を多く掲載します。つまり、歯科医師は自分の得意分野を症例を通してアピールしているのです。
そのため、ホームページをご覧いただければ、その歯科医師がどの分野に強いのかが自然と見えてくると思います。

4. 大学病院の補綴科

大学病院の補綴科を受診すれば、入れ歯に精通した歯科医師が担当するため、一般の歯科医院に比べて安心感があります。
闇雲に医院を探すよりも、大学病院を受診するのは一つの有効な選択肢といえるでしょう。
ただし、担当する歯科医師の年代や経験はそのときによって異なります。
教授クラスが直接診ることは非常にまれで、多くは研修医や若手の歯科医師が中心になります。
誰が担当するかは事前にはわからないため、この点は理解しておく必要があります。

保険で入れ歯を作ってくれる
名医と出会えない場合は?

「保険でもよく噛める入れ歯を作ってほしい」と願っていても、実際にその技術を持つ歯科医師に出会うのは簡単ではありません。では、そうした名医に出会えなかった場合、どうすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、歯科医師とのコミュニケーションです。
「なぜ噛めないのか?」「なぜ見た目が自然にならないのか?」といった疑問を率直に聞いてみてください。
保険診療の入れ歯には材料や工程に制約があるため、どうしても限界があります。
そのことを理解しながら一緒に改善方法を探っていくことが大切です。
次に、複数の医院を比較してみること。ホームページに入れ歯の症例を掲載しているか、入れ歯治療に力を入れているかは大きな判断材料です。

さらに「補綴専門医」や「補綴科出身で博士号を取得しているか」といった経歴も参考になります。また、保険診療の範囲に限界を感じる場合は、自費診療の入れ歯を検討するのも一つの方法です。
自費診療では材料や工程の選択肢が広がり、より快適でよく噛める入れ歯を目指すことができます。
最後に、大学病院の補綴科を受診するという選択肢もあります。担当医が必ずしも名医とは限りませんが、入れ歯に精通した歯科医師が在籍しているため安心感があります。

ドクター
理事長

田中 健久

Takehisa Tanaka

入れ歯なんでも相談室をご覧頂きありがとうございます。渋谷にて開業して20年以上経ち、多くの患者さまにご来院頂いたことを感謝申し上げます。

私は、日本補綴(かぶせ物・入れ歯)歯科学会と日本口腔インプラント学会の両方の専門医を取得しています。そのため入れ歯とインプラント両方の専門医として皆さんの相談に答える事ができます。両方の学会の専門医を取得している歯科医師は、非常に稀です。

よくインプラントは良くない!入れ歯は噛めない!などとおっしゃりますが、私の意見としては、それぞれ利点・欠点があり、患者さまによって全然違います。なのでそれぞれ自分に合った治療方法は、何かを理解した上で治療方針を決定すべきだと考えております。

両サイドから相談にのる事ができますので、どうぞお気軽に相談してください。

【所属学会・資格】

  • 日本補綴歯科学会 専門医
  • 日本口腔インプラント学会 専門医
  • 日本顎咬合学会 咬み合せ認定医
  • 日本歯周病学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • *スタディグループ
  • 5DJapan-DentureCourseSaporter

【経歴】

  • 1999年:岩手医科大学卒業
  • 2004年:東京医科歯科大学大学院卒業
  • ニューヨーク大学インプラント審美卒後研修修了
  • ペンシルバニア大学卒後研修修了
  • テンプル大学大学最新歯科治療コース修了
  • ブカレスト大学医学部インプラント科卒業
  • ハーバード大学インプラントプログラム修了
  • いいやま歯科医院:勤務
  • 青山通り歯科タナカ:院長
  • 渋谷歯科タナカ:院長
  • 医療法人社団まる歯:理事長