予防歯科の先進国のスウェーデン!健康な歯を維持する秘訣とは? | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

予防歯科の先進国のスウェーデン!
健康な歯を維持する秘訣とは?

はじめに

日本で少しずつ定着しつつある予防歯科は、スウェーデンではすでに定着し虫歯や歯周病のリスクを低減する効果を得ています。
「予防歯科は本当に効果があるのか?」もしこのような疑問があればスウェーデンの予防歯科を知ると予防歯科へのモチベーションが上がるかもしれません。

本記事では、予防歯科の先進国であるスウェーデンの歩みと、スウェーデンから学ぶ予防歯科の方法を紹介していきます。是非とも参考にしていただき、予防歯科に積極的に取り組んでいただけると幸いです。

スウェーデンは予防歯科・歯科先進国

スウェーデンは予防歯科・歯科先進国であり、国民全体で虫歯や歯周病などの口腔疾患が少ないことで知られています。はじめにスウェーデンの予防歯科について紹介します。

なぜスウェーデンは予防歯科・歯科先進国になったの?

1960年頃、スウェーデンは今の日本と同じように、虫歯や歯周病に悩まされていた時期がありました。そこで1970年に国家戦略として予防歯科の大々的な取り組みが始まり、1974年に歯科保険制度が導入されました。

定期的な歯科クリニックの予防歯科を促し、日常的な歯磨きの指導を行ったことにより、スウェーデンの人々の口腔内環境は改善しました。
また、スウェーデンの大学による30年間に及ぶ研究の結果、予防歯科の取り組みによって虫歯や歯周病を防げることが立証されました。

引用元:一般財団法人 日本スウェーデン歯科学会

スウェーデンでは予防歯科がどのように定着したの?

スウェーデンの国民は予防歯科への意識が高く敏感です。予防歯科が定着したのは、スウェーデン政府が長期間にわたって予防歯科の政策を推進してきたことにあります。
公的な予防歯科のサービスの提供や学校での予防歯科教育など、予防を重視する取り組みが国の制度に組み込まれています。

スウェーデンの歯科保険制度では、23歳まで無料で予防歯科を受診できます。
これによって、スウェーデン国民が定期的な歯科検診や予防処置を受けるハードルは低くなり、予防歯科の普及が進みました。スウェーデン国民にとって予防歯科は文化だと言われることもあります。

スウェーデンと日本の80歳の残存歯の違い

予防歯科の取り組みが定着しているスウェーデンと、定着途中である日本では、80歳での残存歯に大きな差があります。
2013年のスウェーデンの調査では80歳で21,1本(※1)の残存歯があり、2022年の日本の調査では80歳で15,6本(※2)との結果が出ています。

予防歯科の取り組みは、将来的な残存歯にも大きな影響を与えます。自分の歯が20本以上あると、ほとんどの食べ物が問題なく食べられると言われています。しっかり咀嚼できることは、消化を促し栄養を吸収します。
高齢期において、自分の歯が20本以上あることは健康面において非常に大きなメリットがあります。

※1参照SWEDISH DENTAL JOURNAL VOL.39 ISSUE 2 2015 p75
※2参照令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要 表17(厚生労働省)

スウェーデンの予防歯科の健康は歯を維持する秘訣

スウェーデンの予防歯科では具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか?次の3つのポイントに分けて紹介します。

1. 正しい歯磨き
2. 生活習慣の見直し
3. 歯科クリニックでのプロによるケア
順番に説明します。

1:正しい歯磨き

予防歯科の基本である歯磨きはとても大切です。日本人の多くの方が歯ブラシだけを使用して歯磨きしていますが、スウェーデンでは歯ブラシ以外のデンタルケアグッズを併用して行う歯磨きが定着しています。

歯ブラシが届かない部分は汚れが残り、虫歯のリスクや歯周病のリスクが高まります。歯と歯の間や歯並びの悪いところ、被せ物の周り、歯と歯ぐきの間は特に歯ブラシが当たりにくい場所です。タフトブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを使用して汚れを除去しましょう。

歯磨き粉にはフッ素入りで虫歯対策に強いものや歯周病に特化したもの、研磨剤入り、研磨剤なしなどさまざまな種類があります。
お口の中は常に変化しており、自分の口腔内に合った種類の使用が大切です。

歯ブラシやタフトブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、歯磨き粉、洗口剤、舌ブラシなど、どれが自分に合っているのかは歯科クリニックで相談すると、現状の自分に合っているものがわかります。
お悩みの際はお気軽にご相談ください。

歯磨きは、歯を磨く順序を決めて鏡を見ながら1本ずつ丁寧に磨きます。歯の形状や歯並びは複雑です。テレビを見ながらなど何かをしながら歯を磨くと、磨き残しが多くなり歯磨きの効果が低減してしまうので、歯磨きをするときは集中しましょう。

歯間ブラシの使い方

2:生活習慣の見直し

●食生活の見直し

虫歯菌は糖分を栄養源として歯を溶かす酸を作り出します。
そのため、虫歯菌の大好物である糖分の多い飲食物を控えることは、虫歯のリスクを下げます。甘いものを食べてはいけないのではありません。大事なことは、過剰に摂取しないこととダラダラ食べ続けないことです。

食事や間食の時間を決めずにダラダラ食べ続けると、お口の中は酸性の状態が続き、歯の表面の層(エナメル質)を溶かし続けます。
食事や間食は、時間を決めることでお口の中が酸性に傾く時間を減らし、虫歯のリスクを低減します。また食事するときは、よくかんで唾液の分泌を促すようにしましょう。

●唾液が出にくくなる習慣を改善する

唾液は殺菌作用や酸性に傾いたお口の中を元に戻そうとする働きなど、さまざまな役割を担っています。

睡眠不足やストレスが溜まっていると免疫力が低下し、唾液の分泌が減ることも。口を開けたまま寝ることも、お口の中が乾燥してしまうので注意しましょう。

●タバコを吸わない

タバコを吸う人は、タバコを吸っていない人に比べて虫歯と歯周病のリスクが高くなります。
タバコの成分によって血管が収縮し、血液の循環が悪くなると歯ぐきに十分な酸素が届かず、歯周病菌が活発になるので悪化し、治療しても治りにくくなるのです。またニコチンは歯に付着し細菌が付着しやすくなるため、虫歯や強い口臭の原因になります。

3:歯科クリニックでのプロのケア

毎日の歯磨きに加え、歯科クリニックでメンテナンスの定期的な受診がとても大切です。

メンテナンスでは、専門的な器具を使用したクリーニングや歯磨き指導、ブラッシング指導、フッ素塗布などをします。また、虫歯などの口腔疾患の問題も早期にみつけられるので、重症化する前に処置できます。

歯磨きでは落としきれなかった汚れは、細菌の塊である歯垢(プラーク)になります。

さらにプラークが長時間お口の中に留まっていると膜(バイオフィルム)ができます。
プラークの段階では歯ブラシで落とせますが、バイオフィルムになると自分での除去は難しく、歯科クリニックで除去しなければなりません。またプラークは固まると歯石になり、歯石もまた自分では除去できません。

プラークやバイオフィルム、歯石が原因で虫歯や歯周病を引き起こします。必ず定期的に歯科クリニックを受診し、メンテナンスを受けましょう。

歯のクリーニング

まとめ

日本でも予防歯科の取り組みは高まっており、予防歯科が少しずつ定着しつつあります。予防歯科は短期的なものではなく、継続がとても重要です。

スウェーデンのように予防歯科の取り組みを継続すると習慣化され、将来的には残存歯が多くなります。

予防歯科はすぐに始められます。日常的な歯磨きや生活習慣を見直し、定期的に歯科クリニックを受診しましょう。

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