歯石の原因を知って予防しよう | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

歯石の原因を知って予防しよう

はじめに

毎日丁寧に歯磨きをしても、歯石を除去しても、いつの間にか歯石は歯に付着しています。

歯石の原因は何なのか疑問に思ったことはありませんか?

本記事では歯石について悩んでいる方へ向けて、歯石の原因と除去方法、歯石が付きにくくするためにおすすめの取り組み「予防歯科」について紹介します。是非とも最後までご覧ください。

そもそも歯石とは

歯石とは、歯垢(プラーク)が石灰化して硬くなったものです。
プラークとは、歯の表面に付着している白くネバネバした細菌の塊で、食後8時間(※1)ほどで形成されます。

歯の磨き残しなどでプラークが長時間お口の中にとどまると、唾液に含まれている成分とプラークが結びついて、2週間(※2)ほどでかたまります。

※1参考:プラーク/歯垢(厚生労働省e-ヘルスネット)
※2参考:歯石(厚生労働省e-ヘルスネット)

歯ぐきよりも上の歯石と下の歯石

歯石は歯ぐきよりも上の歯の表面についている「歯肉縁上歯石」と、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)についている「歯肉縁下歯石」があります。
歯肉縁上歯石は白っぽい色をしており、比較的やわらかいため除去がしやすく、歯肉縁化歯石は黒っぽい色をしており、硬いため除去がしにくい特徴があります。

歯石が付着しやすいところ

歯石が付着しやすい場所は、下の前歯の裏や上の奥歯の外側、歯と歯ぐきの境目です。
下の前歯の裏側には唾液腺の開口部があり、上の奥歯の外側と歯と歯ぐきの境目は歯ブラシが届きにくいため、プラークが残りやすく歯石ができやすい場所です。

歯石ができる4つの原因

歯石はプラークが石灰化してかたまったものなので、プラークが口に残ってしまうことが歯石の原因です。
プラークが口に残ってしまい、歯石ができやすくなる原因は次の4つです。

1. 磨き残しがある
2. 食生活
3. たばこを吸う
4. 生活習慣

順番に説明します。

1:磨き残しがある

丁寧に歯を磨いても、歯ブラシのみの使用では58%(※)しか汚れは落とせていません。特に歯ブラシが当たりにくい奥歯や歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間は磨き残しが多い場所です。
デンタルフロスを歯ブラシと併用すると86%(※)プラークを除去できるといわれているため、歯ブラシと併用して歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどを使用して、より多くのプラークを除去する必要があります。

全てのプラークの除去は困難です。歯磨きで落としきれなかったプラークは、少しずつ蓄積されて歯石へと変化します。
毎食後に歯磨きしていても、歯ブラシしか使用していない人は、他のデンタルケアグッズを併用している人に比べて、歯石が付きやすい口腔内環境だといえるでしょう。

※参考:日本歯周病学会会誌1975年17巻2号p.258-264

2:食生活

甘い食べ物や飲み物、やわらかくて粘着のある食べ物を多く摂取すると、歯石のリスクが高まります。
虫歯菌は歯磨きで落としきれなかった糖分をエサにしてプラークの形成を促進させ、やわらかく粘着のある食べ物は歯と歯の間などに詰まりやすく、歯ブラシで取りにくいので磨き残してしまうためです。

また、食事や間食の時間を決めずにダラダラ食べ続けると、歯石の元となるプラークがお口の中に溜まりやすい環境を作ります。

3:たばこを吸う

たばこを吸うときに発生するタール(ヤニ)が原因で歯石がつきやすい環境を作ります。
タールはネバネバと粘着性があり、唾液の成分と融合して歯に定着し、プラークが付着しやすくなるためです。
タールは歯磨きで落とせないため、繰り返したばこを吸うと歯に蓄積されていきます。
たばこを吸わない人に比べて、歯石がつきやすいといえるでしょう。

4:生活習慣

唾液は殺菌作用があり、お口の中の汚れを洗い流してくれる役割があります。強いストレスや不規則な生活習慣によって、唾液の分泌が減りお口の中が乾燥していると、プラークがお口の中に残りやすくなるため歯石が付きやすくなります。
日常的に口呼吸している方や、日頃から水分の摂取量が十分でない場合などもお口の中は乾燥しやすいので、気をつけましょう。

歯石の除去は歯科クリニックで!

歯石は自分で除去できないため、歯科クリニックの専門器具を使用して除去します。

自分で歯石を除去すると、歯と歯ぐきを傷つけてしまうリスクがあり、歯肉縁下歯石は除去できません。さらに、取りきれなかった歯石の表面はザラザラしているので、よりプラークがつきやすくなります。

歯石の除去は必ず歯科クリニックを受診してください。

歯石の除去方法

歯石の除去は専門器具のスケーラーを使用します。スケーラーには、ハンドスケーラーと超音波スケーラーがあります。
歯石の状態を見ながら、状況に合わせて超音波スケーラーとハンドスケーラーを併用して歯石を除去します。

超音波スケーラーは、歯ぐきより上の部分についている歯石を取るのに適しており、超音波と水を使用して、振動で歯石を除去します。
ハンドスケーラーは、歯ぐきより下の歯周ポケットや歯と歯の間など超音波スケーラーで取りきれない部分に適しています。
超音波スケーラーとは異なり、器具の先端に刃がついており、歯石を削り取る器具です。

歯石除去の頻度

歯石取りの頻度は3ヵ月に一度が目安です。
歯石は除去しても、2日ほどでプラークがかたまり始め、2週間ほどで歯石になります。歯石がつきやすい人は2ヵ月に一度などもっと早める必要があります。歯石除去の頻度は、歯科医師または歯科衛生士と相談の上、次のスケジュールを決めましょう。
3ヵ月に一度のペースは、歯科検診や予防歯科のメンテナンスを受ける適切な頻度と同じです。

詳しい!歯石除去について

歯石を予防するためには、予防歯科のアプローチが最適

予防歯科の取り組みは、歯石が付きにくいお口の中の環境を整えることに適しています。

プラークがお口の中に残ってしまうことは避けられませんが、適切なケアを施すことで予防できます。

歯石対策として、予防歯科の取り組みについて紹介します。

予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病などの口腔疾患になる前に未然に防ぐことを目的としています。虫歯や歯周病の原因はプラークです。
予防歯科では毎日自分で行う歯磨き(セルフケア)と、定期的に歯科クリニックで受けるクリーニング(プロフェッショナルケア)でプラークを効率よく除去し、歯への付着を防ぎます。

予防歯科

歯石を付きにくくするためのセルフケア

歯磨きは毎食後に行います。
歯石の原因となるプラークがお口の中に残らないように、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスの併用がポイントです。

歯と歯の間には歯間ブラシとデンタルフロスを、奥歯や歯と歯ぐきの境目のあたりなどの歯ブラシが当たりにくいところにはタフトブラシを使うことで、歯ブラシだけの使用に比べてプラークの除去率が上がります。
歯石の付きやすい部分を意識しながら、一本ずつ丁寧に磨きましょう。

歯科クリニックで定期的にプロフェッショナルケアを受ける

プロフェッショナルケアでは、自分では取りきれないプラークや歯石を徹底的に除去します。お口の中を清掃して研磨するので、ツルツルの歯に仕上がりに。歯の表面をツルツルに磨き上げることで、プラークや歯石が付きにくい環境を作ります。プロフェッショナルケアの頻度は、一般的に3ヵ月に一度が目安です。

予防歯科ではクリーニングだけではなく、歯の磨き残しがわかる染め出しを用いた歯磨き指導をしています。
具体的にどこに磨き残しがあるのかわかるようになり、正しい歯磨きの方法が身につきます。自分に合ったデンタルケアグッズや使い方などの相談ができるので、より適切なセルフケアができるでしょう。

歯のクリーニング

歯石を放置するリスク

歯石を放置すると虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

虫歯や歯周病が重症化すると、歯科クリニックへの通院回数が増え、治療費用と治療にかける時間が長期間必要です。

ここでは、歯石を放置するリスクについて紹介します。

歯石を放置するリスク1:虫歯

歯石そのものは虫歯を引き起こしませんが、歯石は表面がザラザラとしているためプラークが付着しやすく、細菌の温床です。虫歯菌はプラークに含まれている糖分を分解して酸を作り、その酸によって歯が溶けます。
プラークが長時間歯に付着すると、酸によって歯が溶かされている時間が長くなり、少しずつ歯に穴をあけます。

初期段階の虫歯はほとんど自覚症状がありません。痛みが出たときにはすでに進行しているので、状況によっては歯の神経を抜かなければならないことも。歯石を定期的に除去すると、虫歯のリスクは低減できます。

虫歯

歯石を放置するリスク2:歯周病

歯石があるとプラークがたまりやすくなります。長時間プラークが付着していると、歯ぐきが炎症を起こします。歯周病はプラークが歯周ポケットに入り、細菌が繁殖します。細菌が作り出す毒素によって、歯ぐきはダメージを受け、歯を支えている骨が溶けてなくなっていきます。

歯を失う原因で一番多いのは歯周病です。歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づいたときには、歯周病が進行して歯がグラグラになっていることもあります。
歯石を除去してプラークが集まりにくい環境を整えることが、歯周病のリスク低減へとつながります。

歯周病について

歯石を放置するリスク3:強い口臭

プラークに含まれている細菌は食べかすなどを分解する過程で、臭いの強いガス(温泉のガスの臭い、玉ねぎが腐った臭いなど)を発生させます。歯石を除去すると細菌が増殖する場所をなくなるため、口臭を低減できます。

口臭について

歯石について歯科クリニックで相談してみよう!

どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯石の原因となるプラークを100%除去することは困難です。そのため、歯石は必ず少しずつお口の中に蓄積されていきます。
しかし予防歯科に取り組むことで、プラークの除去率をあげ、歯石が付きにくいお口の中の環境を作ることは可能です。

当院ではカウンセリングの時間を設け、一人ひとりに寄り添ったクリーニングをしています。歯石や予防歯科などについて、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

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