歯磨きしているのに歯が黄ばむのはなぜ? | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

歯磨きしているのに歯が黄ばむのはなぜ?

はじめに

歯が白い人は、健康的で美容的にも好感度の高い印象を持たれやすいため、歯を白く美しく保ちたいという気持ちは世代や性別を問わず共通しているものでしょう。しかし歯は汚れがつきやすく、またその汚れが目立ちやすい箇所です。
歯の汚れの中でも特に黄ばみについて、歯磨きを欠かさずやっているのに黄ばんできた、どんなに歯磨きをしても黄ばみが取れない、黄ばみを取る方法を知りたいと悩んでいませんか?

今回は歯が黄ばむ原因とその対策について説明します。

白い歯に関する勘違い

歯はなぜ黄ばむのか?

歯の色は、表面ではなくその下にある「象牙質」の色が見えているということをご存じでしょうか。

歯は、表面を覆っている「エナメル質」、主体となる「象牙質」、表面を覆って象牙質を守る役割を果たす「エナメル質」、「エナメル質」の下にあって血管や神経などが通っている「歯髄」、象牙質と「歯槽骨」の間にある「セメント質」などで構成されています。

象牙質を守っているエナメル質は半透明なので、エナメル質を通してその内側の象牙質が透けて見えているのです。

象牙質の本来の色は乳白色ですが、肌や髪の色が一人ひとり微妙に異なるように歯の色にも個人差があり、象牙質の色も真っ白に近い人もいれば、黄色味が強い人もいます。
象牙質の見え方は表面のエナメル質の厚さや透明度にも左右されますし、凹凸している歯の表面に光が反射することでも歯の色の見え方は変わります。
この元々の歯の色に加え、外的要因によって歯は黄ばんで見えてしまうのです。歯の黄ばみの外的要因は下記のようなものが考えられます。

歯の黄ばみの原因①着色汚れ

摂取した食べ物の色素がエナメル質の表面の膜についたことによる黄ばみです。
象牙質の上層のエナメル質は、唾液の中に含まれるタンパク質でできている「ペリクル」という薄く透明な保護膜で覆われています。刺激から歯を守る役割を持つぺクリルですが、一方で飲食物などによる着色汚れ(ステイン)を歯に付着させるという性質があります。

着色汚れになりやすい食べ物・飲み物は次のようなものです。

種類 着色汚れになりやすい食物・飲料
色が濃い飲食物 緑茶/紅茶/コーヒー/着色炭酸飲料/ウーロン茶/赤ワイン/ リンゴ/バナナ/渋柿/桃/プルーン/ブドウ/ブルーベリー/ ナス/トマト/さつまいも/ごぼう/紫キャベツ/赤たまねぎ/ チョコレート/ココア/カレー
酸が強い飲食物 みかん、オレンジ、グレープフルーツなど柑橘系の果物/ ほうれん草/ドレッシング/白ワイン/炭酸飲料/ スポーツドリンク

酸が強い食べ物を摂取し続けると口の中が酸性に偏りますが、この酸によって歯のミネラル成分が溶け出してしまいます。口の中が酸性になっている状態というのは、着色汚れが歯に付着しやすい状態でもあるということなので、注意が必要です。
タバコや葉巻に含まれるヤニも歯を黄色くします。ヤニには強い粘着力があり、ヤニが口の中に残った状態で食べものを口にすると、食べたものの色素が歯に付着してしまうのです。
さらにタバコに含まれるニコチンは血流を悪くし、タールの原因となるメラニン色素を生成するため、タバコを吸い続けると歯も歯ぐきも黒ずんでしまうでしょう。

歯の黄ばみの原因②加齢

歯磨きや歯の食いしばりによって歯のエナメル質は時間がたつほどに徐々に薄くなり、一方でエナメル質の下の象牙質は神経を守るために時間の経過によって分厚く、そして黄色味が強くなる傾向にあります。

年齢を重ねるとともに歯が黄色くなるのは、老化現象の一つであり、誰もが避けることのできない要因です。

歯の黄ばみの原因③歯垢や歯石によるもの

歯の汚れには、歯垢と歯石があります。歯垢が石灰化したものが歯石です。

口腔内に常に存在する複数の微生物が集まって作り出す粘性の膜のようなものをバイオフィルムといいますが、バイオフィルムを放置すると口腔内で成長し、歯垢になります。
歯に付着した歯垢は唾液に含まれるリン酸やカルシウムと結合することで固くなり、歯への付着力も強くなり、歯石になるのです。

歯垢の中には色素を作り出す細菌が存在し、歯垢自体がオレンジや緑色に変色します。さらに歯垢や歯石には食べ物や飲み物の色素が沈着しやすく、これも歯が黄色く汚れて見える原因の一つです。

歯の黄ばみの原因④虫歯

虫歯の初期段階、エナメル質が溶けている段階での変色はほとんどありませんが、虫歯の症状が進み象牙質まで虫歯菌に侵されると、痛みとともに歯が変色する場合があります。

さらに虫歯が重度になると歯は茶色や黒色になり、穴が開いたり欠けてしまったりするうこともあるため、歯科での治療が必要です。

歯の黄ばみの原因

歯の黄ばみを予防する方法

加齢による歯の黄ばみは避けられませんが、その他の歯の黄ばみの要因は予防することが可能です。
歯が黄ばんでいくのを少しでも抑える方法について紹介します。

歯の黄ばみを予防する方法①よく噛んで食べる

唾液には細菌や汚れを落とすという自浄効果があります。

よく噛んで食べれば口の中に入ってきた細菌や汚れが唾液できれいに流されるので、咀嚼回数を増やし、唾液の量を増やすことが大切です。

食事後に虫歯の原因とされるミュータンス菌のエネルギーを弱める働きがあるキシリトール入りのガムを噛んだり、飲み物による着色を抑えるためにドリンクを飲む際はストローを使用するなど、日常の細かいケアの積み重ねを心がけましょう。

歯の黄ばみを予防する方法②喫煙を控える

喫煙を控える、できれば禁煙することで歯への着色はかなり抑えられます。

色素沈着をまねきやすいヤニだけでなく、歯ぐきの血流を滞らせるニコチンやタールなど、喫煙は歯を黄ばませる大きな原因の一つです。

どうしても喫煙がやめられない方は、喫煙の後は歯磨きをする、歯磨きの時間がない時でもうがいは必ず行うなど喫煙で汚れた口腔内をきれいにする習慣を身につけましょう。

歯の黄ばみを予防する方法③こまめに歯磨きをする

着色汚れや色素沈着を招きやすい歯垢や歯石を除去するためには、こまめに歯磨きをすることが一番です。

口の中を常に清潔に保てば歯の黄ばみは抑えられます。歯ブラシや歯間ブラシも使用して、毎食後だけではなく「何か口に入れたら歯磨きする」ことを習慣化することをおすすめします。

時間がない時は口をすすぐ、うがいをするなど、常に口腔内を清潔にするという意識が大事です。

歯の黄ばみを予防する方法④正しい歯の磨き方を身につける

こまめな歯磨きも間違った歯の磨き方では、逆に歯を痛めたり、黄ばみが増したりする可能性があります。

歯の汚れを落としたいがために力を込めてブラッシングする人もいますが、強い力での歯磨きを続ければ、歯の表面のエナメル質をすり減ってしまいます。また歯磨きの時間がもったいないからと、短時間で雑に磨いても歯磨きの効果は得られません。
歯の黄ばみを予防するためには、奥歯の側面や歯の裏側などもしっかり磨くことのできるサイズの合った歯ブラシを選び、ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使用することをおすすめします。

歯を磨く際には、歯ブラシを歯に直角に当て、歯ブラシの毛先がゆがまない程度の強さで、1〜2本ずつ小刻みに磨くようにしましょう。

歯の黄ばみを予防する方法⑤歯科検診や予防歯科に積極的になる

歯科検診や予防歯科で口腔内の状況を確認することは、歯が黄ばむ要因を様々な面から予防します。

歯が変色する原因の一つとして虫歯が挙げられますが、初期の虫歯は痛みがあまり感じられず、気づかないうちに歯の黄ばみや黒ずみにつながる重度の虫歯に進行しがちなので、歯科検診での定期的なチェックが必要です。

また歯の黄ばみの要因として歯垢や歯石がありますが、歯科検診や予防歯科では歯科衛生士による歯垢や歯石の除去を受けられます。

さらに歯科検診や予防歯科では、歯磨きでどれほど磨き残しがあるかを認識してもらうために、患者さまにいつも通りの歯磨きをしてもらった後に染め出し液を用いて口内に残った歯垢を目視できる状態にします。自分が普段の歯磨きできれいにできていない箇所を認識することができ、磨き残しの結果を元に歯科衛生士から正しい歯ブラシの使い方や磨き方について指導を受けることも可能です。
口腔内の健康のためにも、歯の黄ばみを予防するためにも半年~1年に1回の歯科検診や3ヵ月~半年に1回の予防歯科を受診することをおすすめします。

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まとめ

毎日歯を磨いているのに、歯が黄ばんでくる原因と、黄ばみを予防する対策について紹介しました。

美容的な観点から歯の白さを保ちたい、少しでも歯の黄ばみを予防したいと思っている方も多いようですが、歯の黄ばみは口腔内の健康の重要な目安でもあります。
歯が黄ばんできたということは、その要因である汚れが口腔内に多く存在し、歯周病の元になる歯垢や歯石が溜まっているということであり、虫歯になっている可能性も考えるべきです。

加齢による歯の黄ばみは避けられませんが、少しでも歯が黄ばんでいくのを抑えたいのであれば、喫煙を控える、食後だけでなくこまめに歯磨きを行うなどといった生活習慣を定着させ、歯科検診や予防歯科にも積極的に取り組みましょう。
歯科検診や予防歯科に積極的になることは、歯の黄ばみを予防するだけでなく、虫歯や歯周病などの予防、虫歯や歯周病になった場合も初期段階で治療を受けられることにつながります。

口腔内に痛みや異変を感じないのに歯科に通院し、時間やお金をかけることに日本ではまだ抵抗を感じる人も多いようです。
しかし、黄ばんだ歯を白くするためのホワイトニングには一般の歯科医院での施術で10,000~50,000円の治療費がかかり、虫歯や歯周病が重症化した場合は数万~100万円の医療費がかかるかもしれません。

最近歯が黄ばんできたかもしれないと感じたら、自己判断せずに歯科医院での検診や予防歯科での歯磨き指導を受け、歯垢や歯石を除去し、場合によっては虫歯治療を行いましょう。
歯の黄ばみを予防し、口腔内を清潔に保つことは口腔内の健康だけでなく、将来の身体の健康にもつながります。

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