「歯の着色汚れが気になって、人と話すときに不安になる」このように、歯の着色汚れについて悩んでいる方は多くいます。
着色のない白い歯を保ちたいと思っていても、歯はさまざまな原因によって少しずつ着色します。しかし、原因と対策を知ることで、着色しにくい状況をつくることは可能です。
そこで本記事では、歯の着色汚れの具体的な原因と対策について紹介していきます。
最後までご覧いただき、是非とも参考にしてください。
「歯の着色汚れが気になって、人と話すときに不安になる」このように、歯の着色汚れについて悩んでいる方は多くいます。
着色のない白い歯を保ちたいと思っていても、歯はさまざまな原因によって少しずつ着色します。しかし、原因と対策を知ることで、着色しにくい状況をつくることは可能です。
そこで本記事では、歯の着色汚れの具体的な原因と対策について紹介していきます。
最後までご覧いただき、是非とも参考にしてください。
※30代・男性:喫煙歴なし、紅茶やコーヒーをよく飲む患者さま
歯の着色は大きく2つのタイプに分けられます。
歯の表面の層(エナメル質)に色素がつく外因性のものと、歯の内側に色がついてエナメル質から透けて見える内因性ものがあります。外因性の着色はステインとも呼ばれています。歯の着色の具体的な原因は次の4つです。
1. 食事習慣による着色
2. たばこを吸う
3. 正しい歯磨きができていない
4. 加齢に伴う変化
順番に詳しく説明します。
着色の主な原因は、食事習慣によるものです。
着色がつきやすい代表的な飲食物を紹介します。
コーヒーや紅茶にはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれており、タンニンは歯の表面に付着するのでステインが付きます。
コーヒーや紅茶を飲むとカップに茶渋が付きますが、歯も同様に色がつくので、多く摂取すると歯が茶色っぽく見えることがあります。
赤ワインは一般的に酸性が強いため口の中が酸性に傾きます。
酸性の環境は歯の表面の層を溶かし、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種のアントシアニンと呼ばれる色素の成分は、歯の表面に密着しやすいため、着色します。
白ワインも同様に酸性が強いため、他の飲食物による着色を促す可能性があります。
カレーや一部のスパイスに含まれているカロテノイドは、多くの野菜やスパイスに含まれている天然の色素です。
特にオレンジや赤色食品に多く含まれています。
カレーは酸性の性質を持っているため、食べると口の中が酸性に傾き、色素が歯に付着します。
かんきつ類や酸性度の高い食品の摂取は、歯のエナメル質を溶かすため色素の付着を促進します。
酸度が高いと一緒に摂取する飲食物の色が歯につきやすくなります。
たばこの煙に含まれているタール(ヤニ)が着色の原因です。
タールは黒色でネバネバとしており、煙を通じて歯の表面に付着し、次第に歯に着色します。たばこには酸性成分も含まれているため、口の中の酸性度が上がり、色素が定着しやすい環境をつくります。
たばこを吸う多くの人は、継続的に喫煙するため、タールが蓄積されて歯の黄ばみが強くなることが特徴です。
毎食後の歯磨きを怠ることや適切な歯磨きができていないと、口の中に歯垢(プラーク)や着色汚れが残るため着色します。
細菌の塊であるプラークは、磨き残すと口の中に蓄積され、時間が経過するとかたまって歯石に変化します。
歯の中の虫歯菌は糖分をエサにして酸を作り出し、プラークが付着している歯の表面は酸によって溶かされるため、色素が定着しやすくなります。
歯ぎしりで歯の先端が摩耗してしまうことや、歯の食いしばりなどで歯に力が加わると、歯の表面には細かなヒビが入ります。
年数を重ねることに摩耗する部分や細かなヒビが増え、そこから着色する色素が入り込むことも考えられます。
また、エナメル質は、歯磨きや食事などのさまざまな要因で少しずつすり減って薄くなります。
これによって、内部のもともと黄色の象牙質が透けて見えると着色しているように見えます。
歯の着色を完全に防ぐことは難しいですが、次の3つの方法で着色を予防できます。
1. 着色しにくい食事習慣
2. 正しい歯磨き
3. 歯科クリニックで定期的にプロによるクリーニングを受ける
一つずつ説明します。
着色の原因になる成分は多くの飲食物に含まれており、避けることは困難です。
しかし次の4つのポイントを意識すると、着色を予防できます。
水は飲食物の色素を薄めるので、ステインの付着を軽減します。
また、渇いているお口の中は色素が定着しやすいので、特に色素の強いワインや紅茶などの飲み物を飲む前に水で口を潤すことも大切です。
着色しやすい飲み物は、ストローを使用すると着色の影響を低減できます。
ストローの先端は前歯よりも奥に位置するため、飲み物が直接歯に触れにくくなり、飲み物が歯に触れる時間を短縮できるためです。
唾液には汚れを洗い流す働きがあるため、唾液の分泌量が多いとより効果を期待できます。
唾液を分泌するためには、よくかんで食べることが重要です。食事の際は早食いではなく、よくかんで時間をかけて食事を摂りましょう。
また、かむことを促すためにシャキシャキとした歯応えのあるものを積極的に取り入れることもおすすめです。
食後の歯磨きは、飲食物からの色素を付着させないための効果的な方法です。
歯磨きは毎食後にすることが望ましいですが、仕事などでできない場合は、食後に口をゆすぎましょう。色素が口から洗い流され、歯の表面に付着する量が減少します。しかし、口をゆすぐことは一時的なため、完全に着色を防ぐわけではありません。
基本的には毎食後に歯を磨きましょう。
毎食後に歯磨きしていても、歯を正しく磨けていなくては、プラークや着色汚れが落とせません。
正しく磨くポイントをおさえて、磨きしましょう。
歯磨き粉には、泡立つように発泡剤が入っています。
歯磨き粉をたくさんつけると泡立ちがよくなり、磨けた気になってしまうため、歯磨き粉はつけすぎないことがポイントです。
また、歯磨き粉は研磨剤が入っていないタイプがおすすめです。
歯ブラシを当てる力の加減によって、歯の表面に傷をつくるリスクがあり、傷は着色のきっかけになります。
歯磨きのときは、鏡を見ながら集中して磨きましょう。鏡を見て1本ずつ丁寧に磨くと、磨き残しが少なくなります。
テレビやスマートフォンを見ながら歯を磨くと、歯ブラシが当たっていない部分に気付けないので、磨き残しが多くなります。
ゴシゴシ力を入れて磨くことは、歯や歯ぐきを傷つける原因になります。また、力を加えて歯を磨くと歯ブラシの毛先もあっという間に広がってしまうでしょう。歯ブラシの毛先が広がってしまう人は力を入れすぎです。歯磨きはほんの少しの力で汚れを落とせます。
時間をかけて歯を磨いても歯ブラシのみの使用では6割程度(※)しか汚れを落とせません。
歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間や上の奥歯などの場所にプラークが残ります。
除去するためには、デンタルフロス、歯間ブラシやタフトブラシなどを歯ブラシと併用すると、プラークの除去率が上がります。
※参考:日本歯周病学会会誌1975年17巻2号p.258-264
着色しにくい食事習慣や正しい歯磨きを実施すると色素が定着しにくくなりますが、100%着色を防げるわけではありません。そのため、定期的に歯科クリニックでプロフェッショナルなクリーニングを受ける必要があります。
クリーニングを受けると歯は本来の色を取り戻し、ツルツルの仕上がりになるため、着色汚れがつきにくくなります。
一般的にクリーニングは、3ヵ月に一度受けるとよいとされていますが、着色の状況によっては頻度を早める場合もあります。
歯の着色汚れを取り除く方法は、歯科クリニックでの処置が必要です。
着色を落として、自分の歯本来の色にするクリーニングと、歯を白くしたい人にはホワイトニングも合わせて行うとよいでしょう。
歯の着色を落とすクリーニングはPMTCと呼ばれ、専門器具でプラークや歯石を除去し、歯の表面についた着色汚れやくすみを専門器具と薬剤を使用して除去します。歯の状況に合わせてフッ素塗布やトリートメントで仕上げます。
同時に歯や歯ぐきの状態を確認し、適切な歯磨きの方法やテクニック、デンタルケアグッズの選択、食事習慣などに関するアドバイスを受けられるので、適切な歯磨きができるようになるでしょう。
歯のクリーニングは、着色汚れを落とすだけではなく、虫歯や歯周病などの口腔疾患を予防する予防歯科でもあります。
自分の歯本来の色よりも白くしたいと考えている方には、クリーニングに加えホワイトニングの併用がおすすめです。
ホワイトニングは歯の表面を漂白し、自分の歯の色を白く見せます。
当院でもホワイトニングのオプションを用意していますので、興味のある方はご相談ください。
着色汚れの対策は、自己判断ではなく歯の専門家のアドバイスを聞くことが大切です。歯や歯ぐきの状態は、人それぞれ異なり、着色の原因や着色具合が異なるためです。
誤ったホワイトニングの自己治療によって、歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。
リスクを回避するためにも歯科医師や歯科衛生士と相談のうえ、着色汚れを対策しましょう。
多くの飲食物に着色しやすい色素が含まれているため、着色を避けることは困難です。しかし、食事習慣や正しい歯磨き、歯科クリニックで定期的なクリーニングを受けることによって、着色しにくい環境はつくれます。
着色対策は、口の中を清潔に保ち虫歯や歯周病などの口腔疾患を予防するメリットもあるため、予防歯科の取り組みの一つです。
着色を防ぐことは、お口全体の健康へもつながります。
着色に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。