歯周病のQ&AQ and A
カテゴリー:歯周病

- 歯周ポケットってなんですか?
- 歯と歯ぐきの間にある溝のことを歯周ポケットといいます。
健康な人は、歯と歯ぐきがぴったりくっついているように見えますが、それでも1~2ミリの溝があります。少し腫れた状態でも4ミリくらいの深さになっていて、悪化すると6ミリ以上になります。
この歯周ポケットの溝の深さを測り、歯周病かの判断をします。
- 歯肉炎と歯周病の違いは
なんですか? - 歯ぐきだけの炎症を歯肉炎、骨まで行き渡っている状態を歯周病といいます。
歯肉炎は歯垢が溜まっていても症状がないのに対して、歯周病は歯周ポケットが深くなって痛みを伴ったり、歯を支える骨が溶けて最悪の場合は歯が抜けてしまいます。
歯周病は痛みなく進んでいくことが多いです。メンテナンスが大事になってきます。
- 歯ぐきの色が普段より
赤い気がします。 - 歯ぐきの一部が赤くなっていたら要注意です。
放置すると歯周ポケットが深くなり、出血したり膿がたまったりしてしまいますので、普段の歯磨きを念入りにしたり、歯科医院を受診して健康状態に戻していきましょう。
- 歯ぐきから出血するのは
なぜですか? - 歯ぐきからの出血は歯周病が原因であることが大半です。または、歯ブラシで歯ぐきを傷つけてしまい出血している可能性です。
成人の8割が歯周病と言われていて、健康な歯ぐきからは出血することはありません。
歯ぐきの傷は歯ブラシの圧が強すぎてしまうことが原因です。歯科医院で適切な歯ブラシの仕方や、原因を理解しましょう。
- 歯周病治療が
何回もかかるのはなぜ? - 歯ぐきからみえている歯石は一回で取ることも可能です。
しかし、歯周病が進行した歯ぐきの下の中に入り込んでいる歯石は目で直視することができず、硬くなってこびりついている歯石であることが大半です。これを指先の感覚を頼りに手探りで、痛みが出ないようにそっと行うため、時間がかかってしまいます。
また、治療の終わった後痛みが出てしまう可能性もありますので、一気に全体を施術してしまうと患者さまの負担が増えてしまう、という理由もあり数回に分けて治療していきます。
- 歯ブラシはどのようなものを
使えばいいですか? - 薬局で売られている歯ブラシはたくさん種類があってどれを選べばいいか悩まれる方も多いと思います。
自分にあった歯ブラシを選ぶことが大切です。なぜかというと、歯ブラシが自分の口にあっていないと、しっかり磨けず歯周病や虫歯の原因になるからです。磨き残しがあることにより、プラーク(歯垢)が残り歯石になります。それにより歯周病や虫歯になります。
歯医者さんのクリーニングでその時は綺麗になりますが、日々のケアはご自身の歯ブラシが大事になってきます。
当院では歯ブラシ選びのお手伝いもさせていただきますので、どんな歯ブラシを使ったら良いかわからないという方は、ぜひご相談ください。
- 歯ブラシはどれくらいのタイミングで交換すればいいの?
- 歯ブラシは基本的に1ヶ月に1回の頻度で交換です。
いくら毎日使用後に歯ブラシを洗っていても、歯ブラシに細菌は繁殖します。また毛先が開いている状態で使っていると、清掃性が悪くなってしまいます。
しっかりと歯ブラシも管理して歯周病、虫歯予防を行いましょう。
- フロスや歯間ブラシは使ったほうがいいのでしょうか?
- 普段の歯ブラシだけでは全体の約60%くらいしか汚れを取ることができません。
フロスや歯間ブラシを使用することで、90%近くまで汚れをとることができます。そのため、歯ブラシとフロスor歯間ブラシの使用ができたらベストです。
フロスや歯間ブラシは歯科医院で使い方を教えてもらってから使用するようにしましょう。
- 最近食べ物が歯にはさまるのですが、なぜですか?
- 歯と歯の間に虫歯ができている、歯周病が進行している、歯並びやかみ合わせに問題がある、といった原因があげられます。
また、虫歯治療後に挟まりやすくなった、という場合は、そのつめ物やかぶせ物が合っていない可能性があります。
「挟まる」というだけでは原因の特定ができませんので、よろしければ一度ご相談ください。
- 歯周病に喫煙は
なぜよくないの? - 簡単に言うと、喫煙をしている方は歯周病のリスクが高くなります。
タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げます。また、「ニコチン」は一種の神経毒です。血管を縮ませ、体が酸欠・栄養不足状態になります。
血管が縮むことで歯ぐきに血液が少なくなってしまい、歯ぐきの腫れや出血が見た目に現れにくく、ご自身で歯周病に気づきにくくなってしまいます。
そしてニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせてしまうため、病気に対する抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。先ほどお伝えしたように血管が縮むことで血行も悪くなりますので、傷の治りまで抑えてしまい、外科処置後の傷も治りにくくなります。
更に、ヤニとして歯の表面に残り、歯がざらざらしてバイ菌も張り付きやすくなります。いつまでもお口の中や歯ぐきにニコチンがいることで染み出しつづけてしまいます。
喫煙
- 加熱式タバコ・電子タバコの口腔領域への影響はありますか?
- 非喫煙者と比較すると影響はあります。
加熱式タバコはタバコ葉を電気的に加熱させニコチン含有エアロゾル(蒸気)を吸引します。
紙巻たばこと比べるとニコチン量は殆ど変わらない量を含みます。発がん性物質であるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドをはじめとした有害物質も、紙巻たばこと比べるとかなり減少はしていますが含まれています。
電子タバコは液体を電気的に加熱させたエアロゾルを吸引するものです。
発がん性物質であるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを含み、紙巻たばこと比べると高濃度の銀、鉄、アルミニウム、ケイ素と鈴、クロム、ニッケルのナノ微粒子が含まれます。これらの金属微粒子により呼吸器系疾患や神経系疾患の罹患リスクを高めてしまう可能性があります。
非喫煙者と比較して歯周病のリスクは、ニコチンを含むことにより2倍あります。虫歯に対しては虫歯菌であるS.ミュータンス菌の歯面への付着力は4倍まで増加し、電子タバコに含む甘味成分によりS.ミュータンス菌のバイオフィルムの形成は2倍増加、エナメル質の硬度も27%まで減少すると報告があり、虫歯リスクが上がってしまいます。
インプラント治療をしている方、今後される方にも影響があります。
顎骨の吸収、軟組織(歯ぐきなど)の炎症が進みやすくなり、予後が悪くなります。また口腔乾燥症、ニコチン性口内炎、口角炎など口腔粘膜病変が高頻度で認められます。
電子タバコの非ニコチン含有のものでも舌や頬粘膜の痛みを引き起こすこともあります。