2026年09月17日 2026年10月27日
Q
入れ歯安定剤の必要ない入れ歯とは?
A
患者さんからの質問で非常に多いのは、
「入れ歯安定剤を使わないと入れ歯が外れるから、毎日使っているがそもそも入れ歯安定剤を使わない入れ歯を作れないか?」
と聞かれます。
多くの患者さんは、毎日ベタベタの入れ歯安定剤を除去するに苦労しており、
「入れ歯安定剤を使用しない入れ歯が作れないものか?」
と思っています。
結論から言えば、
入れ歯安定剤を使用しない入れ歯を作製することは可能です。
毎日のベタベタの入れ歯安定剤からさよならすることでができます。
しかし、入れ歯安定剤を使用していた期間が長い患者さんや、
入れ歯以外にも顎や関節に問題がある患者さんは、
パッと入れ歯を作ってもなかなか思うような結果が出ない事があります。
入れ歯安定剤の必要のない
入れ歯
- 「入れ歯が外れるから安定剤を使っています。」
- 「安定剤がないと食事ができません。」
このようなお悩みを持つ患者さんは少なくありません。
しかし、本来、よく合った入れ歯であれば、日常生活で入れ歯安定剤が必要になることはほとんどありません。
もちろん、顎の骨が大きく吸収している方や、特殊な症例では安定剤が役立つこともあります。
しかし、多くの場合は入れ歯そのものに原因があることが少なくありません。
入れ歯安定剤がなぜ必要なのか?
そもそもなぜ入れ歯安定剤を使用しないといけないのか?
- 噛むと痛い
- 入れ歯が合わない
- 入れ歯が壊れている
- お口を開けると外れる
- 入れ歯が動く
- 歌を歌えない
- 笑えない
- 食べ物が詰まる
- 嘔吐反射がある
- 歯医者に行けない
以上のような理由があって、入れ歯安定剤を使用していると思います。
しかし、多くの患者さんは、できれば入れ歯安定剤を使用したくないと考えています。
なぜなら、入れ歯安定剤を毎日拭ってとるのが億劫だからです。
入れ歯安定剤は「応急処置」
入れ歯安定剤は、外れやすい入れ歯を一時的に安定させる便利な製品です。
しかし、安定剤を使い続けても、「痛み」「噛みにくさ」「外れやすさ」の根本的な原因は改善されません。
言い換えれば、入れ歯安定剤は「治療」ではなく「応急処置」です。
入れ歯安定剤が必要ない入れ歯
- 噛んで痛くない入れ歯
- 外れない入れ歯
- 壊れていない入れ歯
- 噛んで痛くない入れ歯
- ピッタリ合った入れ歯
- 笑っても外れない入れ歯
- 歌っても外れない入れ歯
- 食べ物がつまらない入れ歯
入れ歯専門医が考える
理想の入れ歯
当院では、「まず安定剤を使わなくても快適に使える入れ歯」を目標に製作しています。
そのために、
- 個人トレーによる精密な型取り
- 患者さん一人ひとりに合わせた設計
- 歯科医師による人工歯排列
- 歯マウント法による噛み合わせ調整
を行っています。
これらの工程を丁寧に行うことで、外れにくく、よく噛める入れ歯を目指しています。
それでも入れ歯安定剤が必要な場合
次のようなケースでは、安定剤が役立つことがあります。
- 顎の骨が大きく吸収している
- 治療中で新しい入れ歯が完成するまで
- 特殊な顎の形をしている
- 一時的に安定性を高めたい
このような場合には、安定剤を上手に活用することも選択肢の一つです。
入れ歯専門医から一言
私は、「入れ歯安定剤を全く使ってはいけない」とは考えていません。しかし、安定剤がなければ使えない入れ歯は、一度見直す必要があります。
安定剤でごまかし続けるのではなく、原因を調べ、必要に応じて調整や作り直しを行うことで、より快適に食事や会話を楽しめるようになることも少なくありません。
ご相談などありましたら、いつでもお気軽にお声掛けください。
入れ歯安定剤の必要のない
入れ歯症例
患者さんのプロフィール
- 性別:女性
- 全身状態:特に問題なし
- 主訴:入れ歯安定剤を使っていましたが、もう限界です。
- 口腔状態:親の介護もあり、ずっと歯を放置してきた入れ歯安定剤を使用して合わない入れ歯で我慢してきたが、もう限界だった。親の介護もひと段落したところで来院されました。
お口の中の状態(正面)
入れ歯が壊れてしまっており、何とか入れ歯安定剤を使用してお口の中で噛んでいる状態でした。途中途中で歯が抜けたのを入れ歯を修理して使ったいたのではないかと予想されます。
上あご
歯が1本もない総入れ歯の状態ですね。この状態で合わない入れ歯を入れ歯安定剤を用いて装着していると傷が絶えなかったのではないかと思います。
下あご
下あごには、しっかりと歯が残っていますね。向かって左側に歯がありませんが、部分入れ歯は使用してなかったようです。
レントゲン
向かって左下の歯は、歯周病が進んでいるので抜歯が必要そうです。
上あごは、骨が吸収しています。
笑顔の写真
笑顔をした際に、やはり上前歯の見え具合や下の歯との噛んでいる状態に隙間が見られます。
治療計画
今回のケースは、ただ本当に合わない入れ歯を入れ歯安定剤で無理やり使用していたという症例になります。患者さんに合ったピッタリとした入れ歯を作れば、入れ歯安定剤を使用しないで毎日入れ歯を装着できると判断しました。
治療1日目:精密な型採り
患者さんに合ったトレーを作製して、シリコンという特殊な型を採る材料を用いて印象を行いました。
治療2日目:噛み合わせの採得
噛み合わせを採得するための、咬合床を作製しました。
治療3日目:人工歯排列試適1回目
歯をろうそくの蝋の上に並べてお口の中に試し入れを行います。この工程が非常に重要になります。
この時点で患者さんとの噛み合わせが合っているのか?
患者さんの笑顔と入れ歯がマッチしるのか?などさまざまなチェックを行います。
私が納得いかない場合は、数回繰り返すことがあります。
治療4日目:人工歯排列試適2回目
以前の入れ歯と試適をした際の入れ歯の歯の見え具合が全然違うのがご理解できるかと思います。
治療5日目:上あご表完成写真
上あごが完成した写真になります。患者さんの顎のアーチに合わせて入れ歯を作製しました。
治療5日目:上あご裏完成写真
裏面も、粘膜に合わせてピタッと作製したので、入れ歯安定剤がなくてもそう簡単に動かない・落ちない入れ歯が完成しています。
治療5日目:正面完成写真
治療5日目:お顔の写真
まず、歯の見え具合が全然違いますね。笑った時にしっかりと歯が見えています。また、下の歯とのバランスもちょうど良いと思います。ここまで自然な仕上がりになり患者さんも非常に満足していました。
入れ歯費用・期間
- 抜歯(保険):約3,000円
- 下あご部分入れ歯(保険):約10,000円
- 上あご総入れ歯(自費):330,000円
- 合計:約343,000円
この費用の中には、初診料や検査料やクリーニングが含まれていないので、別途費用がかかることをご理解ください。
今回は、5回の来院で完成となりました。
来院回数は、患者さんのお口の中の状態によりケースバイケースになります。
入れ歯安定剤の必要のない
入れ歯まとめ
入れ歯安定剤を使用しなくても問題なく使用できる入れ歯を作製することは、可能です。一つ一つのステップを確実にチェックしながら作製すればピッタリとした入れ歯を作製できます。
多くの患者さんは、合わない入れ歯が当たり前だと思っています。しかし、実際に作製してみると多くの患者さんが、なんでもっと早くに渋谷歯科に来なかったのかと後悔されます。入れ歯安定剤の必要のない入れ歯は、全然作成することが可能です。
入れ歯治療を受ける方への
大切なお知らせ
(注意事項とリスク)
入れ歯治療では、より快適に使っていただくために、いくつかご理解いただきたい点があります。
- 同じ治療工程を複数回行う場合があります
精度を高めるため、型取りなど同じ工程を複数回行う場合があり、その際は別途費用が発生することがあります。 - 人工歯の色・形の変更は追加費用がかかります
入れ歯完成後に、人工歯の色や歯並びの変更を希望される場合は、追加料金が必要となります。 - 入れ歯は「完成=すぐ快適」ではありません
痛みや噛み合わせを安定させるには複数回の調整が欠かせません。最低でも装着後24時間以内、1週間後、1ヶ月後の調整が必要です。その後も、噛み合わせや粘膜の変化に合わせて1~6ヶ月ごとの調整を行います。 - ナイトガード(夜用の装置)の使用をお願いする場合があります
部分入れ歯の方は、夜の歯ぎしり・食いしばりで残っている歯を守るため、ナイトガード(ナイトデンチャー)の使用をお願いすることがあります。 - 1回で完璧に至らない場合があります
入れ歯は非常に精密な治療です。まれに、作り直しが必要になる場合がありますので、ご協力をお願いいたします。 - CT撮影(16,500円)が必要な場合があります
顎の骨や入れ歯との関係を詳しく確認するため、断層撮影(CT)を行う場合があります。 - 古い入れ歯のコピー作製を行うことがあります(8,800円)
現在使用している入れ歯の形を参考にするため、コピーした模型を作ることがあります。 - 咀嚼能力試験(5,500円)をお願いする場合があります
現在の噛む力を評価し、入れ歯作製の参考にさせていただくことがあります。 - 定期検診が必要です
入れ歯・粘膜・顎の状態を維持するため、最低でも半年に一度の定期検診・調整をお受けください。 - 他院やご自身での調整は保証対象外となります
当院で作製した入れ歯を、他院で調整された場合やご自身で削ったり改造した場合は、保証対応ができませんのでご注意ください。 - 指示に従っていただけない場合、治療をお断りすることがあります
安全で適切な治療のため、歯科医師やスタッフの指示に従っていただけない場合は、治療を継続できなくなることがあります。
田中 健久
Takehisa Tanaka
入れ歯なんでも相談室をご覧頂きありがとうございます。渋谷にて開業して20年以上経ち、多くの患者さまにご来院頂いたことを感謝申し上げます。
私は、日本補綴(かぶせ物・入れ歯)歯科学会と日本口腔インプラント学会の両方の専門医を取得しています。そのため入れ歯とインプラント両方の専門医として皆さんの相談に答える事ができます。両方の学会の専門医を取得している歯科医師は、非常に稀です。
よくインプラントは良くない!入れ歯は噛めない!などとおっしゃりますが、私の意見としては、それぞれ利点・欠点があり、患者さまによって全然違います。なのでそれぞれ自分に合った治療方法は、何かを理解した上で治療方針を決定すべきだと考えております。
両サイドから相談にのる事ができますので、どうぞお気軽に相談してください。
【所属学会・資格】
- 日本補綴歯科学会 専門医
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎咬合学会 咬み合せ認定医
- 日本歯周病学会
- 日本臨床歯周病学会
- *スタディグループ
- 5DJapan-DentureCourseSaporter
【経歴】
- 1999年:岩手医科大学卒業
- 2004年:東京医科歯科大学大学院卒業
- ニューヨーク大学インプラント審美卒後研修修了
- ペンシルバニア大学卒後研修修了
- テンプル大学大学最新歯科治療コース修了
- ブカレスト大学医学部インプラント科卒業
- ハーバード大学インプラントプログラム修了
- いいやま歯科医院:勤務
- 青山通り歯科タナカ:院長
- 渋谷歯科タナカ:院長
- 医療法人社団まる歯:理事長