2026年01月09日 2026年01月09日
Q
先生なら歯を失ったら入れ歯?
インプラント?
A
「先生、しのごの言わずに結論を教えてください」と言われることもありますので、先に結論をお伝えします。
歯を失った場合の第一選択肢は、
基本的にはインプラントです。
ただし、
・歯を失った原因
・年齢
・全身状態
・残っている歯の状態
・生活スタイル
・お口の汚れ具合い
これらによっては、必ずしもインプラントが第一選択にならないケースも多く存在します。
歯を失った際に、インプラントにするか?入れ歯にするか?多くの方が迷われると思います。
実際に患者さんから「先生なら入れ歯とインプラント、どちらを選びますか?」と聞かれることも何度もあります。
入れ歯・インプラントの両方を専門とする立場としては、「私はこうします」と言い切りたいところですが、実はケースによって選択肢は大きく変わります。
年齢、歯を失った場所、お口全体の状態、生活環境によって、最適な治療法は一択ではありません。
そこで今回は、「こういう場合はこの選択肢」という形で、できるだけ分かりやすく整理してお話ししたいと思います。
目次
よくある誤解・よくある質問
患者さんから、次のような質問をよく受けます。
- 周りの歯が歯周病でも、歯を失ったらインプラントが第一選択ですか?
- 周りの歯が虫歯だらけでも、
インプラントが第一選択ですか? - 20歳で歯を失った場合、
インプラントが第一選択になりますか? - 80歳を超えていますが、
インプラントが第一選択になりますか? - 前歯を失った場合は、
必ずインプラントになりますか? - 来月から海外に長期出張ですが、
今すぐインプラントをした方が良いですか? - 歯を失ったら、インプラントや入れ歯治療をすぐに始めるべきですか?
これらの質問に対して、すべて「はい」とは言えません。
Q:周りの歯が歯周病でも、歯を失ったらインプラントが第一選択ですか?
A:必ずしも第一選択にはなりません。
周囲の歯が歯周病でグラグラ揺れている状態でインプラントを行い、かぶせ物を装着しても、噛む力(応力)がインプラントに集中してしまいます。
その結果、インプラントに過剰な負担がかかり、インプラントの寿命が極端に短くなる可能性があります。
このような場合は、まず以下を行い、お口全体の状態を安定させることが最優先になります。
- 歯周病の治療
- 保存できない歯の抜歯
私のおすすめとしては、一度部分入れ歯で噛み合わせを安定させたうえで、最終的にインプラント治療を行うという段階的な治療計画です。
専門医からのひと言
- 歯周病がある状態での
インプラントは高リスク - 「まず環境を整える」がインプラント成功の鍵
- 入れ歯は失敗ではなく、
次の治療につなげる準備段階
この考え方は、患者さんの納得度も非常に高いです。
Q:周りの歯が虫歯でも、歯を失ったらインプラントが第一選択肢ですか?
A:この場合も、
必ずしも第一選択にはなりません。
周囲の歯で虫歯が進行して痛みが出ていたり、噛み合わせの崩壊が進んでいる状態で、「歯を失ったからすぐインプラント」という判断は適切ではありません。
まず優先すべきなのは、虫歯の治療をきちんと行うことです。
その歯が残せるのか・残せないのかを正確に診断することです。
お口全体の状態が安定していないままインプラントを行うと、噛み合わせのバランスが崩れ、インプラントに過剰な負担がかかる可能性があります。
そのため、周囲の虫歯治療と噛み合わせの再構築を行ったうえで、
最終的にインプラントの治療計画を立てることが重要になります。
専門医からのひと言
- インプラントは「単独治療」ではない
- お口全体のバランスが治療成功を左右する
- 先に治すべき歯を見極めることが最優先
Q:年齢が20歳で歯を失ったら、
インプラントが第一選択ですか?
A:年齢そのものよりも、「顎の成長が止まっているかどうか」が重要な判断ポイントになります。
人によって個人差はありますが、顎の成長は一般的に20代中盤から後半にかけて徐々に止まっていきます。この成長が完全に止まる前にインプラントを行うと、以下といったリスクが生じることがあります。
- インプラントのかぶせ物と周囲の天然歯との間に段差(ギャップ)が生じる
- 噛み合わせが変化し、機能的・見た目的な
問題が出る
そのため、顎の成長が完全に止まってからインプラント治療を行うのが一般的な考え方です。
20歳で歯を失った場合でも、一時的に入れ歯や仮の補綴治療で対応し、顎の成長を見極めたうえでインプラントを検討するという選択肢が適切になるケースも少なくありません。
専門医からのひと言
- 「若い=すぐインプラント」ではない
- 成長という時間軸を考慮することが重要
- 長期的に見て安定する治療を選ぶことが
最優先
Q:年齢が80歳を超えています。
歯を失ったのですが、インプラントが第一選択ですか?
A:高齢になったからといって、必ずしもインプラントができないわけではありません。
しかし、80歳を超える場合は「第一選択」になるとは限りません。
高齢になると、多くの方が何らかの基礎疾患を抱えるようになります。
そのため、「インプラントを希望しても、医学的に行えない」ケースが出てきます。
高齢者の身体的な特徴として、以下の点が挙げられます。
- 予備力の低下(体調変化への対応力が低い)
- 免疫力の低下(感染リスクが高い)
- 回復力の低下(手術後の治癒が遅い)
- 複数の病気を抱えやすい
(高血圧・糖尿病・心疾患など)
また、体調や外部環境の変化によって、平常の状態を維持しにくくなるという特徴もあります。
そのため、80歳を超える患者さんでは、「インプラントができるかどうか」だけでなく、以下といった長期的視点で治療方法を選択することが非常に重要になります。
- 手術の負担はどの程度か
- 将来的に通院・メンテナンスが可能か
- 介護が必要になった場合でも管理しやすいか
場合によっては、以下の治療の方が、安全性・管理のしやすさ・生活の質の面で優れていることも少なくありません。
- 部分入れ歯
- 総入れ歯
- 入れ歯インプラント(少数本インプラント)
専門医からのひと言
80歳を超えたから「インプラントはダメ」ではありません。
しかし、第一選択になるかどうかは別問題です。
その方の以下まで含めて考えたときに、本当にその人に合った治療かどうかを見極める必要があります。
- 全身状態
- 生活環境
- 将来の介護リスク
Q:前歯を失いました。
インプラントが第一選択になりますか?
A:前歯を失った場合でも、必ずしもインプラントが第一選択になるとは限りません。
まず重要なのは、前歯を「なぜ」失ったのかです。
外傷なのか、歯周病なのか、根の破折なのかによって、治療の選択肢は大きく変わります。
一般的に、前歯のインプラント治療は難易度が高い治療になります。
その理由は、単に骨が薄いからというだけではありません。
前歯は、以下などが非常に重要で、インプラントを入れても、以前と同じような自然な前歯を再現することが難しいケースが少なくありません。
- 見た目(審美性)
- 歯ぐきのライン
- 左右のバランス
- 笑った時の見え方
そのため、前歯を失った場合、以下といった治療方法を選択される患者さんも多くいらっしゃいます。
- ブリッジ
- 目立ちにくい入れ歯
また、歯科医師側から見ても、前歯部へのインプラント埋入は非常にテクニックを要する治療です。
症例によっては、無理にインプラントを選択せず、他の治療方法を提案することも少なくありません。
前歯のインプラント治療は、「テクニックセンシティブ(術者の技量に大きく左右される)」な治療であるため、主治医と十分に相談し、メリット・デメリットを理解した上で判断することが重要です。
また近年では、歯をほとんど削らずに、接着で装着するタイプのブリッジも選択肢の一つとして注目されています。条件が合えば、非常に身体への負担が少ない治療になることもありますので、一度相談してみると良いでしょう。
専門医からのひと言
前歯を失ったからといって、必ずしもインプラントが第一選択になるわけではありません。
前歯は「噛めるか」以上に「自然に見えるか」「長く安定するか」が重要な部位です。
そのため、見た目・機能・将来性を総合的に考えた治療選択が大切になります。
Q:来月から海外に長期出張になりますが、
歯を失ったらインプラントが第一選択肢ですか?
A:海外出張などで治療期間が限られている場合、インプラントは第一選択にならないことが多いです。
インプラント治療は、インプラントと骨がしっかり結合するまでの治癒期間が非常に重要になります。
もちろん、順調に骨と結合してくれれば問題ありませんが、治療期間が限られている場合、以下といったリスクが生じます。
- 骨結合を十分に待てない
- 早い段階でかぶせ物の型採りを
行わざるを得ない - 仮歯での経過観察期間を
十分に確保できない
その結果、時期尚早な状態で最終的なかぶせ物治療へ移行せざるを得ないケースもあり、インプラントの長期的な安定性や寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。
インプラント治療は、「早く終わらせる治療」ではなく、「十分な時間をかけて行う治療」です。
そのため、海外出張などで治療期間が限られている患者さんには、焦ってインプラント治療を行うのではなく、まずは入れ歯などの可撤式(取り外し式)治療を選択することをおすすめします。
十分な時間が確保できるタイミングになってから、改めてインプラント治療を検討する方が、結果的に安全で長持ちする治療につながります。
専門医からのひと言
海外出張前など、「時間に制約がある状況」でのインプラント治療は慎重に判断すべきです。
一時的な解決を優先するのか、将来を見据えた治療を優先するのか——その判断が、治療の満足度を大きく左右します。
専門医として入れ歯と
インプラントどちらを選ぶのか?
専門医の立場として、入れ歯とインプラントのどちらを選択するのかは、まさに腕の見せどころだと考えています。
患者さん一人ひとりで、
以下はすべて異なります。
- 家庭環境
- 生活背景
- 歯を失った理由
- 年齢
- 全身状態
その中で、どの治療方法がその患者さんにとって本当に合っているのかを見極め、提案すること、それこそが、専門医として最も重要な仕事だと思っています。
だからこそ、治療を決める際にはしっかりと主治医と相談してほしいのです。
私自身の考えとしては、何の問題もなく、1本だけ歯を失ったケースではインプラントをおすすめすることが多いです。
ただし、そのような場合でも、いきなりインプラントを行うことはほとんどありません。
まずは一度、入れ歯を装着していただき、
以下を実際に体感してもらいます。
- 入れ歯の利点
- 入れ歯の欠点
そのうえで、「それでもインプラントが良い」と患者さん自身が納得された場合に、インプラント治療へ進むようにしています。
入れ歯が向いている人
① 外科手術を避けたい人
インプラントは外科手術を伴います。
「できれば手術はしたくない」「怖い」「体への負担が心配」という方には、入れ歯は非常に現実的で安全な選択肢です。
② 全身疾患がある人
- 高血圧
- 糖尿病
- 心疾患
- 骨粗しょう症
- 抗凝固薬を服用している方
このような方は、インプラント手術自体が制限される、またはリスクが高くなることがあります。
全身状態を考慮すると、入れ歯の方が適しているケースは多いです。
③ 周囲の歯が歯周病・虫歯の人
周りの歯が歯周病で揺れていたり、虫歯が多い状態でインプラントを行うと、噛む力がインプラントに集中しやすく、結果としてインプラントの寿命が短くなる可能性があります。
このような場合は、まず入れ歯で噛み合わせを安定させるという選択が向いています。
④ 高齢の人
高齢だからといって入れ歯しかできないわけではありません。しかし高齢になると、以下などを考慮する必要があります。
- 回復力・免疫力の低下
- 通院回数の負担
- 将来的な介護の問題
取り外して清掃できる入れ歯は、将来を見据えた治療として向いていると考えられるケースも多いです。
⑤ すぐに歯が必要な人
インプラントは治療期間が長くなります。
- 海外出張が控えている
- 仕事や家庭の事情で通院が難しい
このような場合、短期間で歯の形を回復できる入れ歯は非常に向いています。
⑥ 費用面を重視したい人
インプラントは高額な治療になります。「まずは現実的な費用で噛めるようになりたい」という方にとって、入れ歯は重要な選択肢です。
⑦ 取り外せることにメリットを感じる人
- 自分で洗いたい
- 寝る時は外したい
- 介護を見据えている
こうした方には、入れ歯や入れ歯インプラントが非常に向いています。
専門医としてひと言
入れ歯は「仕方なく選ぶ治療」では
ありません。
患者さんの状態・価値観・将来を考えたときに、最も合理的で、最もやさしい治療になることも多い治療法です。
インプラントが向いている人もいれば、入れ歯こそが最適解になる人もいる。
だからこそ、「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分に合っているか」を主治医と一緒に考えていくことが何より大切です。
入れ歯が向いてない人
① 取り外し式の装置がどうしても嫌な人
入れ歯は基本的に 取り外して使う治療です。
- 口の中から外すこと自体が嫌
- 「入れ歯=年寄りっぽい」と感じる
- 人に見られるのが恥ずかしい
このような価値観が強い方は、精神的なストレスが大きくなり、使わなくなるケースが多いです。
👉 このタイプの方は、固定式のインプラント治療が向いています。
② 「何でも噛める」と過度な期待を
している人
入れ歯は噛めるようになりますが、天然歯やインプラントと同じ噛む力は出ません。
- 硬いせんべい
- フランスパン
- スルメ・ナッツ類
「これまで通り何でも噛みたい」という期待が強い方は、入れ歯に不満を感じやすいです。
③ 調整や通院を面倒に感じる人
入れ歯治療は、以下が必ず必要な治療です。
- 装着後の調整
- 噛み合わせの変化への対応
- 定期的なメンテナンス
「1回作ったら終わり」、
「通院は極力したくない」という方には、
入れ歯治療は向いていません。
④ 清掃・お手入れができない人
入れ歯は毎日の清掃が前提です。
- 外して洗う
- 入れ歯洗浄剤を使う
- 口腔内の清掃も必要
これができない場合、臭い・カビ・炎症・痛みの原因になります。
お手入れが難しい方は、家族や介護者の協力が必要になります。
⑤ 顎の骨が極端に吸収している人
顎の骨が極端に痩せている場合、
以下といった問題が起こりやすくなります。
- 入れ歯が安定しない
- 動きやすい
- 痛みが出やすい
このようなケースでは、インプラント併用(入れ歯インプラント)や別の治療法を検討した方が良い場合があります。
⑥ 若年者で長期的な審美性を
重視する人
特に前歯部では、以下を強く気にされる方も多いです。
- 見た目の自然さ
- 発音
- 笑った時の違和感
若い方で審美性を最優先する場合、入れ歯は第一選択になりにくいことがあります。
⑦ 自分の歯を守る意識が低い人
入れ歯は「失った歯を補う装置」ですが、残っている歯を守る意識がとても重要です。
- 歯ぎしり・食いしばりを放置
- 指示されたナイトガードを使わない
- 定期検診に来ない
このような方は、入れ歯の破損や残存歯の喪失につながりやすくなります。
専門医としてひと言
入れ歯が向いていない人とは、口の中の問題よりも「考え方・生活習慣・価値観」が合わない人と言い換えることもできます。
入れ歯は、以下のような方にこそ向いた治療です。
- 調整を受け入れられる
- 手入れを続けられる
- 完璧を求めすぎない
インプラントが向いている人
インプラントは非常に優れた治療法ですが、誰にでも無条件に向いている治療ではありません。
以下のような方は、インプラント治療の満足度が高くなりやすい傾向があります。
① 取り外し式の入れ歯が
どうしても苦手な人
- 口の中から外すのが嫌
- 「入れ歯を使っている」と思われたくない
- 固定式の歯を強く希望している
このような方には、固定式で違和感の少ないインプラントが向いています。
② しっかり噛みたい人
インプラントは、入れ歯よりも噛む力が天然歯に近いのが特徴です。
- 硬い物も気にせず食べたい
- 食事の制限をできるだけ減らしたい
- 食べる楽しみを重視したい
このような方は、インプラントのメリットを最大限に感じやすいです。
③ 周囲の歯をできるだけ削りたくない人
ブリッジ治療では、失った歯の両隣の健康な歯を削る必要があります。
インプラントは周囲の歯に負担をかけず、削らずに治療できるという大きな利点があります。
④ 顎の骨が十分に残っている人
インプラントは顎の骨と結合して
支えられます。
- 骨量・骨質が十分
- 大きな骨造成が不要
このような場合、治療期間が短く、成功率も高くなります。
⑤ 定期的なメンテナンスに通える人
インプラントは「入れたら終わり」では
ありません。
- 定期検診
- クリーニング
- 噛み合わせのチェック
これらを継続できる方ほど、インプラントを長く快適に使い続けられます。
⑥ 全身状態が安定している人
- 糖尿病などの全身疾患が
コントロールされている - 免疫状態が安定している
- 外科処置に問題がない
年齢よりも全身状態の安定性が重要な判断基準になります。
⑦ 長期的な視点で治療を考えられる人
インプラントは、初期費用は高めです。その分、長期的な安定性が高いという特徴があります。
「今だけでなく、10年後・20年後を考えたい」という方には、非常に相性の良い治療です。
⑧ 審美性を重視したい人
特に前歯部では、以下を重視する方に、
インプラントは選ばれています。
- 見た目の自然さ
- 笑った時の美しさ
- 発音への影響の少なさ
専門医としてひと言
インプラントが向いている人とは、「固定式を希望し、長期的な口腔の安定を重視し、メンテナンスを続けられる人」と言えます。
ただし重要なのは、👉 「向いているかどうかは口の中だけで決まらない」という点です。
生活背景・価値観・将来像を含めて、主治医と一緒に治療方法を選ぶことが、最も満足度の高い結果につながります。
インプラント向いていない人
インプラントは非常に優れた治療方法ですが、すべての患者さんに適しているわけではありません。
以下のような方は、インプラント治療が「向いていない」、もしくは慎重な判断が必要になります。
① 外科手術に強い不安や恐怖がある人
インプラントは必ず外科処置を伴います。
- 手術が怖い
- 出血や腫れが不安
- 体にメスを入れること自体が苦手
このような精神的ストレスが強い場合、治療そのものが大きな負担になることがあります。
② 全身疾患のコントロールが
不十分な人
以下のような場合は、インプラントの成功率が下がります。
- 糖尿病のコントロールが不良
- 重度の心疾患・脳血管疾患
- 免疫抑制状態
- 放射線治療後(顎骨照射)
全身状態が安定していない場合は、まず全身管理が優先されます。
③ 定期的な通院・メンテナンスが
難しい人
インプラントは、以下ができないとインプラント周囲炎を起こしやすくなります。
- 定期検診
- プロによる清掃
- 噛み合わせ管理
またこのような方には、
長期安定が難しくなります。
- 忙しくて通えない
- 通院が面倒
- メンテナンスの意識が低い
④ 歯周病が進行したままの人
重度歯周病が治療されていない状態でインプラントを行うと、以下が起こりやすいです。
- インプラント周囲炎を起こしやすい
- 早期脱落のリスクが高い
まずは歯周病治療を優先し、お口全体の環境を整えることが必須です。
⑤ 噛み合わせが大きく崩壊している人
- 歯がバラバラに残っている
- 咬合高径が低下している
- 強い食いしばり・歯ぎしりがある
噛み合わせが不安定な状態でインプラントを入れると、インプラントに過剰な力が集中します。
このような場合は、入れ歯や仮義歯で噛み合わせを整えてから検討します。
⑥ 顎の骨が極端に少ない人
- 重度の骨吸収
- 骨造成が大掛かりになるケース
治療が長期化し、身体的・経済的負担が大きくなるため、他の治療方法を選択した方が良い場合があります。
⑦ 口腔清掃が苦手な人
- 歯磨きが雑
- セルフケアが続かない
- プラークコントロールが不十分
インプラントは虫歯にならない代わりに、歯周病よりも進行が早い炎症を起こすことがあります。
⑧ 将来的に介護が
必要になる可能性が高い人
- 高齢
- 介護環境が想定される
- ご本人がセルフケアできなくなる
可能性が高い
固定式インプラントは、介護時の清掃が非常に難しいという側面があります。
このような場合、取り外し可能な入れ歯や入れ歯インプラントの方が現実的な選択になることも多いです。
専門医としてひと言
インプラントが向いていない人とは、「外科処置・メンテナンス・全身管理・将来設計」この4つがクリアできない人です。
インプラントは「入れる技術」よりも「適切な患者さんを選ぶ判断力」が最も重要です。
そのため、👉 無理にインプラントを勧めない歯科医師こそ、患者さんにとって信頼できる存在だと私は考えています。
結局どちらを選べば
後悔しないのか?
後悔しない治療選択とは、「治療法」ではなく「順番」を間違えないことです。
入れ歯か?インプラントか?
この二択で悩む方が多いですが、本当に重要なのは「今、何を優先すべきか」です。
原則①:いきなり最終ゴールを決めない
- すぐインプラント
- もう入れ歯は嫌だから固定式
この判断が、後悔の一番の原因です。
まずは、以下を整える必要があります。
- 噛み合わせ
- 顎の位置
- 残っている歯の状態
- 生活背景
原則②:「噛める状態」を
一度体験してから決める
私が多くの患者さんに行うのは、一度、入れ歯で噛んでもらうことです。
- 入れ歯のメリット
- 入れ歯の限界
- 取り外しの煩わしさ
- 清掃のしやすさ
これを実体験してから「それでもインプラントがいい」と思えるなら、その選択は後悔しにくくなります。
田中 健久
Takehisa Tanaka
入れ歯なんでも相談室をご覧頂きありがとうございます。渋谷にて開業して20年以上経ち、多くの患者さまにご来院頂いたことを感謝申し上げます。
私は、日本補綴(かぶせ物・入れ歯)歯科学会と日本口腔インプラント学会の両方の専門医を取得しています。そのため入れ歯とインプラント両方の専門医として皆さんの相談に答える事ができます。両方の学会の専門医を取得している歯科医師は、非常に稀です。
よくインプラントは良くない!入れ歯は噛めない!などとおっしゃりますが、私の意見としては、それぞれ利点・欠点があり、患者さまによって全然違います。なのでそれぞれ自分に合った治療方法は、何かを理解した上で治療方針を決定すべきだと考えております。
両サイドから相談にのる事ができますので、どうぞお気軽に相談してください。
【所属学会・資格】
- 日本補綴歯科学会 専門医
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎咬合学会 咬み合せ認定医
- 日本歯周病学会
- 日本臨床歯周病学会
- *スタディグループ
- 5DJapan-DentureCourseSaporter
【経歴】
- 1999年:岩手医科大学卒業
- 2004年:東京医科歯科大学大学院卒業
- ニューヨーク大学インプラント審美卒後研修修了
- ペンシルバニア大学卒後研修修了
- テンプル大学大学最新歯科治療コース修了
- ブカレスト大学医学部インプラント科卒業
- ハーバード大学インプラントプログラム修了
- いいやま歯科医院:勤務
- 青山通り歯科タナカ:院長
- 渋谷歯科タナカ:院長
- 医療法人社団まる歯:理事長