奥の歯髄にまで虫歯が進行すると
冷たいものがしみる程度であれば、まだ痛みは軽いかもしれません。
しかし、虫歯がさらに進行して歯の内部にある歯髄に炎症が及ぶと、何もしていなくてもズキズキと痛んだり、夜も眠れないほどの強い痛みが生じたりすることがあります。 歯髄には神経や血管が通っているため、炎症が起こると強い痛みにつながります。ここまで進行すると、自然に治ることは期待できず、歯科医院での治療が必要です。
酸で歯が溶ける病気
虫歯を簡単にいうと、「酸によって歯が溶けてしまう病気」です。
私たちの口の中には、たくさんの細菌が住んでいます。その種類は、少ない人で約120種類、多い人では350種類以上といわれています。口の中にいる細菌の多くは、悪いものではありません。むしろ、口の中の環境を整えるなど、健康を守る役割を果たしている細菌もいます。しかし、中には虫歯の原因となる細菌も存在します。
その代表的なものが「ミュータンス菌」です。ミュータンス菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖分を取り込み、酸を作り出します。この酸によって歯の表面からカルシウムなどのミネラルが溶け出すことで、虫歯が始まります。
つまり、糖分をエサにした細菌が作り出す酸によって、歯が少しずつ溶かされてしまうのです。
虫歯の原因
虫歯とプラークコントロール
虫歯のメカニズム
痛みを引き起こす虫歯
我慢できないほどの痛みを引き起こすこともある虫歯。実は、歯の表面を覆うエナメル質には、痛みを感じる神経がありません。
虫歯は、細菌が作り出す酸によって歯が溶かされ、少しずつ進行していきます。虫歯が進んで象牙質に達すると、冷たい水や甘いものなどの刺激で、しみたり痛みを感じたりするようになります。
虫歯の症状と痛み冷たいものがしみる程度であれば、まだ痛みは軽いかもしれません。
しかし、虫歯がさらに進行して歯の内部にある歯髄に炎症が及ぶと、何もしていなくてもズキズキと痛んだり、夜も眠れないほどの強い痛みが生じたりすることがあります。 歯髄には神経や血管が通っているため、炎症が起こると強い痛みにつながります。ここまで進行すると、自然に治ることは期待できず、歯科医院での治療が必要です。
また、突然痛みが治まったからといって、虫歯が治ったとは限りません。
虫歯が進行して歯髄の神経が壊死すると、それまで感じていた痛みが弱まったり、なくなったりすることがあります。しかし、歯の内部では感染が続いている可能性があり、放置すると歯の根の先に膿がたまったり、周囲の組織に炎症が広がったりすることがあります。さらに、感染が重症化すると、まれに全身に影響を及ぼすこともあります。
痛みがなくなっても自己判断で放置せず、早めに歯科医院を受診しましょう。
虫歯による痛みには、ズキズキとうずくような痛みから、歯の奥に響くような重い痛みまで、さまざまな種類があります。例えば、ズキズキとした痛みは、歯髄に炎症が起きているときにみられることがあります。一方、歯の奥に響くような痛みや、歯を噛み合わせたときの痛みは、歯の根の先に炎症が起きたり、膿がたまったりしている場合にも生じます。
虫歯が痛み出したとき、どのように対処すればよいのでしょうか。
一番大切なのは、できるだけ早く歯科医院を受診することです。しかし、仕事や予定の都合ですぐに受診できないこともあるでしょう。そんなときに、歯の痛みを一時的に和らげるための対処法をご紹介します。
痛み止めで症状が落ち着いても、歯科医院での診察を受けることが大切です。
ただし、虫歯が進行してできた穴を歯磨きで治すことはできません。強く磨いたり、つまようじなどで穴の中を無理にほじったりするのは避けましょう。
虫歯が痛むときは、何気ない行動が痛みを悪化させてしまうことがあります。症状を悪化させないためにも、次の点に注意しましょう。
虫歯の治療方法は、虫歯がどこまで進行しているかによって異なります。
虫歯が進行すると、歯を削る治療や神経の治療が必要になり、通院回数や治療費の負担も大きくなる傾向があります。歯がしみる、色が変わってきたなどの違和感がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
| 症状 | 歯の表面が白く濁ったり、部分的に色が変わったりしている状態です。この段階では、歯に穴が開いていないことも多く、自覚症状はほとんどありません。 |
|---|---|
| 治療方法 | 歯に穴が開いていない初期の虫歯では、すぐに歯を削るのではなく、適切な歯磨きやフッ素の活用によって経過を観察することがあります。歯科医院で正しい歯磨きの方法を学び、毎日のセルフケアを見直すことも大切です。定期的に歯科検診を受け、虫歯の進行状態を確認しましょう。 |
| 症状 | 虫歯が歯の表面を覆うエナメル質にとどまっている状態がC1、さらに内部の象牙質まで進行した状態がC2です。 C1では自覚症状がほとんどないこともありますが、C2になると、冷たいものや甘いものがしみたり、噛んだときに痛みを感じたりすることがあります。ただし、症状がないまま進行するケースも少なくありません。 |
|---|---|
| 治療方法 | 虫歯の大きさや進行度に応じて、感染した部分を取り除き、詰め物などで歯の形や機能を回復させます。 比較的小さな虫歯であれば、歯科用の白い樹脂材料であるコンポジットレジンで修復できる場合があります。虫歯が大きい場合は、セラミックや金属などの詰め物を使用することもあります。 |
| 症状 | 虫歯が歯の内部にある歯髄まで進行し、神経に炎症が起きている状態です。何もしなくてもズキズキと痛んだり、夜間に痛みが強くなったりすることがあります。ただし、痛みの強さだけで虫歯の進行度を判断することはできません。 |
|---|---|
| 治療方法 | 歯髄に強い炎症や感染が生じている場合は、根管治療が必要になることがあります。根管治療では、感染した歯髄などを取り除き、歯の根の内部を清掃・消毒してから、薬剤で密封します。 |
治療の一般的な流れは次のとおりです。
必要に応じて麻酔を行い、虫歯を取り除いて歯の内部にある感染した組織を除去します。その後、根管内を清掃・消毒します。感染の状態によっては、複数回の通院が必要です。
根管内の状態が整ったら、内部を薬剤で密封します。その後、歯の残り方や状態に応じて土台や被せ物などで歯を修復します。治療内容によっては、複数回の通院が必要になります。
なお、歯髄の状態によっては、神経を残す治療が検討できる場合もあります。
| 症状 | 虫歯が著しく進行し、歯の頭の部分(歯冠)が大きく失われ、歯の根だけが残っているような状態です。 歯髄が壊死すると、以前のような強い痛みがなくなることがあります。しかし、痛みがなくなったからといって治ったわけではありません。歯の根の先に膿がたまったり、周囲の組織に炎症が広がったりすることがあります。 |
|---|---|
| 治療方法 | 歯の根を残せるかどうか、虫歯の進行度や感染の範囲、歯の残存量などを確認して治療方針を決定 します。 歯を残せる場合は、根管治療などを行ったうえで、土台や被せ物によって修復できることがあります。一方、歯を残すことが難しい場合は、抜歯が必要になることもあります。抜歯した場合は、口の中の状態や患者さんの希望に応じて、インプラント・ブリッジ・入れ歯などで失った歯の機能を補う方法を検討します。 |
虫歯の治療費は、虫歯の進行度や治療方法によって異なります。初期の虫歯から神経まで進行した虫歯まで、それぞれの段階でどのような治療が必要になり、どのくらいの費用がかかるのかを解説します。
虫歯の治療費
「きちんと虫歯を治療したはずなのに、銀歯の下でまた虫歯になっている!」と驚いたことはありませんか?虫歯を削って詰め物や被せ物を入れたからといって、その歯が将来にわたって虫歯にならないわけではありません。なぜ再び虫歯になってしまうのか、その原因について解説します。
銀歯の虫歯
口臭が気になる原因の一つに、虫歯が挙げられます。特に、虫歯が深く進行していたり、歯に開いた穴に食べかすが詰まっていたりすると、細菌が増殖し、不快な臭いが発生することがあります。
虫歯と口臭
虫歯は、治療するだけでなく、予防することが大切です。以前は、虫歯ができたら削って詰めるという治療が中心でした。しかし、治療を繰り返すうちに歯へのダメージが蓄積し、神経の治療や抜歯が必要になることもあります。
虫歯は、毎日の生活習慣を少し見直すことで、予防できる可能性があります。大切な歯を長く健康に保つために、今日からできる虫歯予防の方法を取り入れてみましょう。
虫歯の治療は、最後まできちんと通い続けることが大切です。
虫歯の大きさや進行状況によっては、治療に何度も通院する必要があります。それぞれの治療には大切な目的があり、最後までしっかりと処置を受けることで、歯を長く健康に保つことにつながります。
痛みが治まると、治療が終わったと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、痛みがなくなっても虫歯が完全に治ったとは限りません。治療を途中でやめてしまうと、虫歯がさらに進行し、最終的には歯を残せなくなる可能性もあります。
虫歯の治療が終わった後も、定期的に歯科医院でお口の状態を確認してもらいましょう。
詰め物や被せ物にも寿命があり、時間の経過とともに劣化したり、不具合が生じたりすることがあります。定期検診を受けることで、自分では気づきにくい虫歯や歯周病などのトラブルを早期に発見できる可能性があります。
治療して終わりではなく、その後も定期的なメンテナンスを続けることが、
大切な歯を長く守るためのポイントです。
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