令和の歯ぎしり・食いしばり新常識 | 渋谷歯科 | 平日夜7時・土日も診療の渋谷の歯医者

令和の歯ぎしり・
食いしばり新常識

目次

令和の歯ぎしり・
食いしばり新常識
(今までの知識は
通用しない?)

厚生労働省が2025年7月に発表したデータによると、2024年の日本人の平均寿命は、女性87.13歳、男性81.09歳となっています。
また、健康寿命(介護を受けずに自立して生活できる期間)は、女性75.45歳、男性72.57歳と報告されています。

長生き時代に必要な歯科医療とは?

これだけ寿命が延びた現代では、これまでと同じ歯科医療の考え方では不十分です。
これからは「長く使うこと」を前提にした「汚れ」+「力」の両方を守る治療が求められる時代になっています。

歯を失う本当の原因

Per-Ingvar Brånemarkの研究データでは、歯を失う原因は「虫歯」「歯周病」だけでなく歯根破折(歯の根が割れること)が非常に多いとされています。

なぜ歯が割れるのか?

大きな原因のひとつが、歯ぎしり・食いしばりです。

これから重要になる考え方

これまでの歯科医療は、プラークコントロール(汚れの管理)=歯ブラシ中心でした。
しかしこれからは、フォースコントロール(力の管理)=噛む力・食いしばりのコントロールが必要不可欠になります。

なぜ力のコントロールが重要なのか?

本来、私たちの歯は、食事の時以外は接触していません。

しかし現代では以下のような影響などにより無意識に歯が接触する時間が増えています。

その結果、歯ぎしり・食いしばりが増加し、以下のような問題を引き起こします。

実際の臨床現場でも

近年はストレスの影響もあり、歯ぎしり・食いしばりで来院される患者さんが増加しています。

対応は「昼」と「夜」で違います。

歯ぎしり・食いしばりは、「寝ている時(睡眠時)」「起きている時(覚醒時)」で原因が異なります。
そのため、それぞれに合った対策が必要です。
具体的な対策は、以下の通りです。

歯ブラシできても
歯ぎしり・食いしばりで
歯を失う?えっ?

「毎日しっかり歯を磨いて、定期検診にも通っているから大丈夫」そう思っている方は、とても多いです。

しかし実は、これは半分正解で半分間違いです。

本当の問題は「力」

歯は“汚れ”だけでなく、“力”でも失います。
どんなに丁寧に歯ブラシをしていても、定期的にクリーニングを受けていても 、歯ぎしり・食いしばりの力をコントロールできていないと、歯は失われます。

第2回 永久歯の抜歯原因調査
平成30(2018)年11月
公益財団法人 8020推進財団

なぜ歯を失うのか?

歯ぎしり・食いしばりによって、「歯にヒビが入る(マイクロクラック)」「歯の根が割れる(歯根破折)」ため、最終的には抜歯になるケースも少なくありません。

実はよくあるサイン

こんな経験ありませんか?

これ、ほとんどの場合、歯ぎしり・食いしばりが原因です。

これからの常識

これまでの歯科医療はプラークコントロール(汚れ)中心でした。

しかしこれからはフォースコントロール(力の管理)も必須です。

歯ぎしりは、“目的のない動き”です。

食事・会話・飲み込み・呼吸などは、すべて目的がある正常な動きです。
一方で歯ぎしりは、特に必要がないのに歯をこすり合わせたり、強く噛んだりする動きです。

専門的に言うと歯と歯が接触した状態で、咀嚼筋(噛む筋肉)が繰り返し働いてしまう状態を指します。

歯ぎしりは2種類に分類される

歯ぎしりは、起きている時と寝ている時で分かれます。

問題は「力の積み重ね」

普段の生活でも、食事や会話で歯には力がかかっています。
そこに歯ぎしり・食いしばりの強い力が加わることで、歯や顎にかかる“力の総量”が増えていきます。

許容範囲を超えるとどうなるか?

人の体には、耐えられる力の限界(許容レベル)があります。
これを超えると、「起こるトラブル」「さまざまな問題」が起こります。

つまり歯ぎしりは“静かにダメージを蓄積する原因”です。

歯を失う本当の原因とは?

日本では、歯を失う3大原因として、「歯周病」「虫歯」「破折(歯が割れること)」が報告されています。

年齢とともに増える「歯の喪失」

歯の喪失は40代後半から増え始め、70代までに平均12.5本を失うと言われています。

そしてこの年代で歯を失う主な原因は歯周病と破折(歯が割れること)です。

第2回 永久歯の抜歯原因調査
平成30(2018)年11月
公益財団法人 8020推進財団

見落とされがちな「破折」の原因

では、なぜ歯が割れてしまうのでしょうか?
最大の原因は、歯ぎしり・食いしばりなどの”力”です。

ここが重要なポイント

しっかり磨いていても、力で歯は失われます。

歯の汚れ(プラーク)をしっかり管理していても力のコントロールができていなければ、歯は守れません。
歯を守るには、“汚れ”と“力”の両方をコントロールすることが必要です。

これからの歯科医療の考え方

これまでは、プラークコントロール(汚れの管理)、これからはフォースコントロール(力の管理)この両方が必要です。

フォースコントロールとは?

歯にかかる力をコントロールするために、以下の3つが重要です。

① 力の評価・診断

② 力をコントロールする対策

③ ダメージを最小限にする工夫

歯ぎしりをご存知ですか?寝ている時VS起きている時

歯ぎしりには、大きく分けて2つのタイプがあり、同じ歯ぎしりでも、種類によって対処法は全く変わります。

① 睡眠時の歯ぎしり

これは、睡眠が一時的に浅くなる「微小覚醒」のタイミングで起こると考えられています。また、以下のような特徴があります。

  • 無意識に起こる
  • 比較的「強い力」がかかる
  • 音が出る(ギリギリ)こともある

短時間でも強いダメージを歯に与えます。

② 覚醒時(起きている時)の歯ぎしり

日中に起こる歯ぎしりです。
主に2つあります。

食いしばり(クレンチング)

強い力がかかるのが特徴です。

TCH(歯牙接触癖)

TCH・・・Tooth Contacting Habit)

弱い力だけど長時間続きます。

実はこれが正常です

本来、歯はほとんどの時間、接触していません。
研究では1日の歯の接触時間は食事を含めても10〜20分程度です。

つまり口を閉じていても歯は触れていないのが正常です。

問題になるのは「長時間の接触」

TCHのように2時間・3時間と歯が触れている状態が続くと以下のようなさまざまなトラブルの原因になります。

ポイントまとめ

一言でいうと

「歯は“強い力”にも“長い時間”にも弱い」
睡眠時と覚醒時の歯ぎしりは「別物」です。

歯ぎしりには、「睡眠時(寝ているとき)」「覚醒時(起きているとき)」の2種類がありますが、実はこの2つは原因・診断・対処法がすべて異なります。

なぜ分けて考える必要があるのか?

睡眠時の歯ぎしり

主に睡眠が浅くなる「微小覚醒」のときに発生しており、体の反応として起こる現象です。

睡眠の質と関係している歯ぎしりです。

覚醒時の歯ぎしり

日中の「食いしばり」「TCH(歯の接触癖)」などが含まれます。

現時点では特定の生理的変化との明確な関係はないとされています。また、ストレス・姿勢・習慣などが影響します。

重要なポイント

睡眠時と覚醒時では、以下のような違いがあります。

1−1. レム睡眠と
ノンレム睡眠

睡眠時の歯ぎしりを理解するためには、まず「睡眠の仕組み」を知ることが大切です。

睡眠は2種類に分かれます

① レム睡眠(浅い眠り)

  • 夢を見やすい状態
  • 脳は活動しているが、体は休んでいる
  • 眠りが浅い状態

② ノンレム睡眠(深い眠り)

さらに3段階に分かれます。

N1:うとうと状態
N2:軽い眠り
N3:深い眠り(最も重要)

年齢による変化

睡眠の質やバランスは年齢とともに変わります。

新生児

睡眠:約16時間
レム睡眠:約50%

浅い眠りが多い

成人

睡眠:約7〜8時間
レム睡眠:約20%

バランスが取れている状態

中年以降

深いノンレム睡眠(N3)が減る
全体的に眠りが浅くなる
眠りが不安定になりやすい

歯ぎしりとの関係

歯ぎしりは、「眠りが浅くなるタイミング(微小覚醒)」で起こりやすいです。
つまり睡眠が浅くなるほど歯ぎしりが起こりやすくなる傾向があります。

まとめ

「質の良い深い睡眠が、歯ぎしり予防にも重要です」

1−2. マイクロアローザル
(一過性の覚醒)

寝ている間、実は人は、何度も「一瞬だけ目が覚める状態」を繰り返しています。

マイクロアロウザル(微小覚醒)と呼びます。

どんな状態?

マイクロアロウザルが起こると、「脳の活動が一時的に活発になる」「心拍数が急に上がる」「筋肉が動く(寝返りなど)」「体が一瞬だけ“起きた状態”」になります。

実は誰にでも起こっています

健康な人でも1時間に10〜20回ほど起こるのが普通です。

問題になるのは「多すぎる場合」

マイクロアロウザルが増えすぎると、睡眠の質が低下します。

歯ぎしりとの関係

歯ぎしりは、眠りが浅くなる瞬間に起こる現象で、ぐっすり眠れていないと、歯ぎしりは増えやすくなります。

歯ぎしりはこの「一瞬の目覚め」のタイミングで起こりやすいです。
つまりマイクロアロウザルが多いほど歯ぎしりも増えやすくなります。

1−3. 睡眠時歯ぎしりと
マイクロアロザールの関係

睡眠中の歯ぎしりは、実は眠りが浅くなったタイミングで起こることが多いです。

どのタイミングで起こるのか?

歯ぎしりは主に浅い眠り(ノンレム睡眠 N1・N2)で発生します。

レム睡眠:約10%程度
深い眠り(N3):10%未満

深く眠っているときは、ほとんど起こりません。

特に多い時間帯

朝方(起床前)に増える傾向があります。
この時間帯は眠りが浅くなりやすく、さらにマイクロアロウザル(微小覚醒)が増える時間帯です。

一番重要なポイント

睡眠時歯ぎしりの約70〜80%は「マイクロアロウザルの直後」に起こります。

つまりどういうこと?

流れでいうと以下のようなセットで起こることが多いです。

  1. 眠りが浅くなる
  2. 一瞬だけ脳が目覚める
    (マイクロアロウザル)
  3. 歯ぎしりが起こる

まとめ

「歯ぎしりは、ぐっすり眠れていないサインの一つです」

ワンフレーズ

「歯ぎしりは“眠りが浅くなった瞬間”に起こります」

1−4. 睡眠時歯ぎしりの
リスクファクター

実は、歯ぎしりの原因はこれ1つ!という明確な原因はまだ分かっていません。
現在の考え方ではいくつもの原因が重なって起こる(多因子性)とされています。

主なリスク要因

① 睡眠のトラブル

眠りが乱れると歯ぎしりが増えやすいです。

② 生活習慣・お薬

神経が刺激されると起こりやすいです。

③ ストレス・性格

ストレスが強いと歯ぎしりが出やすいです。

④ 遺伝の影響

遺伝的に起こりやすい人もいます。

重要なポイント

人によって原因は違う

まとめ

「歯ぎしりは1つの原因ではなく、いくつかの要因が重なって起こります。」

ワンフレーズ

「歯ぎしりは“体と生活のサイン”です」

歯ぎしりは「噛み合わせが原因」
ではない?

以前は「噛み合わせが悪いから歯ぎしりが起こる」と考えられていました。

そのため噛み合わせを治せば歯ぎしりも治るという治療も行われていました。

しかし現在の考え方は違います

多くの研究から噛み合わせと歯ぎしりに明確な関係はないことが分かってきました。

その理由

① 歯がなくても歯ぎしりは起こる

歯がない方でも顎の筋肉は動いて歯ぎしりのような動きが出ます。

② 歯ぎしりは脳や神経の影響

歯ぎしりは「睡眠が浅くなる」「自律神経が活発になる」というような脳・神経の働きによって起こります。

③ 歯の接触は「原因ではなく結果」

歯の接触は、以下ような流れです。

  1. 脳の活動
  2. 筋肉が動く
  3. 歯が当たる

つまり、歯が当たるのは結果であって原因ではないです。

重要なポイント

噛み合わせを治しても歯ぎしり自体は止まりません。

ではどうするの?

治療の目的は、「歯を守る(ナイトガード)」「負担を減らす」「生活習慣や睡眠の改善」です。
“歯ぎしりを止める”ではなく“ダメージを減らす”ことが重要です。

まとめ

「歯ぎしりは噛み合わせではなく、脳と睡眠の問題です」

ワンフレーズ

「歯ぎしりは“歯の問題”ではなく“体の反応”です」

1−5. 睡眠時歯ぎしりの
リスクファクターを整理する

睡眠時の歯ぎしりは「睡眠の質」がカギ

歯ぎしりの原因はいろいろありますが、一番大切なのは「睡眠の質」です。

歯ぎしりが起こる流れ

とてもシンプルにすると以下のような流れになります。

  1. 睡眠の質が下がる
  2. ぐっすり休める時間が減る
  3. 顎の筋肉が活動しやすくなる
  4. 歯ぎしりが起こる

つまりどういうこと?

眠りが浅いほど、歯ぎしりは起こりやすくなります。

睡眠の質を下げるもの

これらが重なると歯ぎしりが増えやすくなります。

まとめ

「歯ぎしりは“歯の問題”ではなく“睡眠の問題”です」

ワンフレーズ

「ぐっすり眠れると、歯ぎしりは減ります。」

2−1. 起きている(覚醒時)
歯ぎしりの生理

起きている時の歯ぎしりとは?

起きている時にも、歯ぎしりは起こります。

よくあるのは「食いしばり」

例えば、「仕事中」「スマホを見ている時」「集中している時」は、無意識にグッと歯を噛みしめている状態です。

実はもっと多いのがコレ

弱い力でずっと歯を触れさせているクセこれを、TCH(歯の接触癖)といいます。

TCHとは?

本来、リラックスしている時は上下の歯は触れていません。(少し隙間があります)
しかしTCHがあると、ずっと歯が触れている状態になります。

なぜ問題なのか?

強い力ではなくても長時間続くことで、歯や顎に負担がかかります。

起こる症状

気づかないうちに症状が出てきます。

なぜ起こるのか?

主な原因は、ストレスや緊張による無意識の反応です。

大切なポイント

「強い力」よりも「長く続くこと」が問題になる場合も多いです。

最後に

まずは「歯が触れていないか?」を意識してみてください。
それだけでも、負担を減らす第一歩になります。

2−1ー1. なぜ歯を
噛み続けてしまうのか?
(緊張性歯根膜咬筋反射)

なぜ歯を噛み続けてしまうのか?

歯には“反射”があり、無意識に噛む力が入ることがあります。

まずは簡単な例

食事中に、砂や小さな骨をガリッと噛んだ経験はありませんか?
その瞬間、「危ない!」と感じる前に、パッと口が開きますよね。

これは何かというと体が自動で守る反応(反射)です。
歯や周りの組織を守るために、瞬時に噛むのをやめる仕組みが働いています。
しかし、逆の反応もあります。
実は歯には、弱い力が続くと、逆に噛む力が強くなる反射があります。
これを緊張性歯根膜咬筋反射といいます。

どういうことか?

例えば、歯と歯がずっと軽く触れている状態(TCHなど)が続くと、「噛み続けなさい」という信号が筋肉に出てしまいます。

その結果どうなるか?

そして、さらに噛む力が強くなります。

つまり「軽く触れているだけ」が、だんだん強い食いしばりに変わることがあります。
無意識に“噛み続けるループ”に入ってしまうことです。
これが問題です。

最後に

歯は本来、リラックスしている時は触れていないのが正常です。

2−1−2. なぜ無意識に
食いしばってしまうのか?
(交感神経原性咬筋反射)

なぜ無意識に食いしばってしまうのか?

こんな経験ありませんか?

  • 細かい作業に集中しているとき
  • ミスできない場面
  • 痛みを我慢しているとき

気づいたら歯をグッと噛みしめています。

これはなぜ起こるのか?

体の「緊張モード」が関係しています。

自律神経の働き

体には2つの神経があります。

交感神経(アクセル🚗)

副交感神経(ブレーキ🚗)

食いしばりが起こる流れ

  1. 緊張・ストレス・痛み
  2. 脳が「危険・集中モード」と判断
  3. 交感神経(アクセル)がON
  4. 体に力が入る

噛む筋肉も無意識に力が入ります。

さらに問題なのはここから

一度噛みしめると以下の状態になります。

前に説明した“噛み続ける反射”が働きます。

その結果

無意識に以下のような形となります。

ポイント

食いしばりはクセではなく「体の反応(防御反応)」の一種です。

対策の第一歩

大事なのは、「今、噛んでいないか?」と気づくことです。

2−2. 起きている時の
歯ぎしり・食いしばりの
原因は?

日中の食いしばり(クレンチングやTCH)は、いろいろな要因が重なって起こります。

主な原因

姿勢の問題

  • 猫背
  • スマホ・パソコンを使用している時の姿勢

頭が前に出ると、噛む筋肉に力が入りやすくなります。

生活環境

  • 長時間のデスクワーク
  • 集中作業が多い

気づかないうちに歯を接触させる時間が増えます。

ストレス・不安

無意識にグッと噛みしめてしまいます。

入れ歯の不具合

違和感を補おうとして噛むクセが強くなります。

噛み合わせの違和感

「どこか当たる感じがする」
その違和感が食いしばりのきっかけになります。

スポーツ

力を入れるときに歯を噛みしめやすいです。

なぜ続いてしまうのか?

一度噛みしめると、「筋肉が緊張する」「歯が接触し続ける」など、さらに噛む力が入りやすくなります。(悪循環)

まとめ

日中の食いしばりは1つの原因ではなく、いくつも重なって起こるものです。

3. 寝ている時の
歯ぎしりの種類

睡眠中の歯ぎしりは、原因によって大きく3つのタイプに分けられます。

① 原因がはっきりしないタイプ
(一次性)

体に特別な病気がないのに起こる歯ぎしりは、健康な方にもよく見られます。ストレスや睡眠の質が影響です。最も多いタイプです。

対応

  • 睡眠の質を整える
  • ナイトガードで歯を守る

② 病気が関係しているタイプ(二次性)

他の病気が関係して起こる歯ぎしり

例:睡眠時無呼吸症候群、睡眠障害

体の問題が原因になっているケースです。

対応

必要に応じて内科などと連携(対診)し、原因となる病気の治療が大切です。

③ 薬が関係しているタイプ(医原性)

飲んでいる薬の影響で起こる歯ぎしり

例:一部の抗うつ薬、精神系のお薬

薬の副作用として出ることがあります。

対応

重要なポイント

原因によって対処法が全く違います。

まとめ

歯ぎしりは「3つのタイプ」に分かれ、それぞれ対応が異なります。

4ー1. 起きている時の
歯ぎしりの種類

日中の歯ぎしりには、主に2つのタイプがあります。

① クレンチング(食いしばり)

いわゆる「グッと噛む」タイプ

  • 強い力で噛みしめる
  • 仕事中・運動中・緊張時に起こりやすい
  • 長くは続けられない(疲れる)

短時間でも強いダメージが出やすいです。

② TCH(歯牙接触癖)

「歯が軽く当たっているだけ」の状態

これが一番見落とされやすいです。

実はここが重要

患者さんに「食いしばってください」と言うと強い力では「続けるのは無理です(疲れる)」となります。
でも、少し力を抜くと「これなら続けられる」となり、さらに聞くと「これは食いしばりじゃなくて、歯が当たっているだけ」となります。

しかしこれが問題

たとえ弱い力でも歯が当たっていれば“負担”になります。

なぜTCHが危険なのか?

以下のような研究結果があります。

強い力=数分しか続かない
弱い力=2時間以上続くこともある

つまり、弱い力×長時間=大きなダメージとなります。

TCHとは?

「弱い力で歯を当て続けるクセ」のことです。

まとめ

クレンチング=強い力・短時間
TCH=弱い力・長時間(要注意)

4ー2. 歯ぎしりの原因による
分類

起きている時の歯ぎしり(TCH)の正体その1 起きている時の歯ぎしり(TCH)の正体その2

4−2−1. 起きている時の
歯ぎしり(TCH)の正体
その1

起きている時の歯ぎしり(TCH)の正体

本来、リラックスしているときのお口の状態は、上下の歯は触れていません。

正常な状態(下あごの安静位置)

前歯:約2〜3mmのすき間
奥歯:約0.5〜1mmのすき間

これを「安静空隙(あんせいくうげき)」といいます。

しかし一部の人では、約10%の方が「歯が離れていると違和感がある」と感じます。

その結果どうなるか?

本来はリラックスしているはずなのに、ずっと歯が当たっている状態になります。
これがTCH(歯牙接触癖)です。

弱い力で歯を当て続けるクセ

しかも、「無意識」「長時間」なので、気づかないうちに続いてしまいます。

姿勢も影響します

前かがみ(スマホ・PC)=歯が当たりやすい
背筋を伸ばす=歯が離れやすい

重要なポイント

リラックスしているのに歯が当たっているのは“正常ではありません”。

まとめ

「本来、安静時は歯は触れていません」
「触れているならTCHの可能性があります」

ワンフレーズ

「気づいたときに“歯を離す”だけで、負担は減らせます」

4−2−2. 起きている時の
歯ぎしり(TCH)の正体
その2

通常は安静空隙が存在しているものの、ある状況あるいは環境下において上下の歯を当てて咬み続けてしまうことがあります。

このような状況は2次性覚醒時歯ぎしり(TCH)であるといえます。

1. 姿勢や環境による影響

普段は歯が離れているのに、ある状況になると歯が当たり続けてしまう状態です。
これを2次性のTCH(歯牙接触癖)といいます。

どんな時に起こるの?

一番多い原因は、「姿勢や環境」です。
特に、以下のような時に起こります。

なぜ歯が当たるのか?

姿勢が悪くなると以下のような状態になります。

  1. 頭が前に出る
  2. 下あごの位置が変わる
  3. 本来ある「歯のすき間
    (安静空隙)」が小さくなる
  4. 歯が当たりやすくなる

さらに問題なのはここ

歯が当たると以下のような状態になります。

  1. 歯の根に刺激が入る
  2. 筋肉が反射的に働く
  3. 噛む力が入る
  4. 歯が当たりやすくなる
  5. さらに歯が当たり続ける

つまり、一度当たると止まりにくい(悪循環)となります。

現代人に多い理由

まとめ

「姿勢が悪いと、無意識に歯ぎしりが起こります」

ワンフレーズ

「スマホ姿勢が“食いしばり”を作ります」

2. 心理社会的要因による影響

ストレスや集中が原因で起こる歯の接触クセです。

どんな時に起こる?

例えば、以下のような場面では、無意識のうちに歯が接触している可能性があります。

  • 仕事に集中しているとき
  • パソコン・スマートフォンの作業中
  • 緊張しているとき
  • ストレスを感じているとき

なぜ起こるのか?

流れはシンプルです。

  1. 集中・ストレス
  2. 体が緊張する
  3. 自律神経(交感神経)が
    活発になる
  4. 筋肉(咬筋)が働きやすくなる
  5. 歯が当たりやすくなる

現代人に多い理由

最近は特に以下のようなお仕事が多いです。

集中時間が長い=歯の接触が増えます。

体への影響

長時間続くと、「眼精疲労」「頭痛」「首・肩こり」「腰痛」「メンタルの不調」そして歯やあごにも負担が蓄積します。

ストレスとの関係

調査では約半数以上の人が強いストレスを感じています。
そして不安が強い人ほど、集中時に歯の筋肉が働きやすいです。

重要なポイント

安静時は問題なくても、集中すると歯ぎしりが出ます。

まとめ

「集中+ストレス=歯の接触が増える」

ワンフレーズ

「頑張っている時ほど、歯は当たっています」

3. 不安定な入れ歯(義歯)による影響

入れ歯が安定しないことで、無意識に噛んでしまうタイプです。

どんな状態で起こるの?

特に注意が必要なのは、奥歯がなく、しっかり噛める場所(咬合支持)がない場合です。

入れ歯が不安定だと何が起こるのか?

  1. 「外れそう・動きそう」という感覚
  2. 無意識に歯を当てて
    固定しようとする
  3. 噛み続けるクセがつく(TCH)

研究から分かっていること

寝ている時(睡眠時)=差はあまりない
起きている時(覚醒時)=奥歯の支えがない人だけ、筋肉の活動が増える

問題は“起きている時”に起こりやすくなります。

なぜ起こるの?

  1. 入れ歯が安定しない
  2. 無意識に噛んで固定しようとする
  3. それが習慣になる

まとめ

「入れ歯が不安定だと、噛みしめるクセがつきます」

ワンフレーズ

「入れ歯が動くと、無意識に噛んでしまいます」

4. 噛み合わせの違和感による影響

「噛み合わせが気になる」ことが原因で起こるタイプです。

咬合違和感とは?

歯の当たり方に“違和感”を感じる状態です。

大きく2つあります。

① 狭い意味(咬合感覚異常)

実際には問題がないのに「当たりがおかしい」と感じる状態になります。

② 広い意味

「実際に噛み合わせがズレている場合」「問題がなくても違和感がある場合」は、両方含みます。

原因として多いもの

痛みがあると「噛み合わせの感じ方」が変わります。

違和感があると何が起こるのか?

  1. 噛み合わせを何度も確認する
  2. 「しっくりくる位置」を探す
  3. 無意識に歯を当てる

この行動が続くと問題になるのはここ

  1. クセになる(習慣化)
  2. TCH(歯の接触癖)に発展する

まとめ

  1. 気になる
  2. 何度も噛む
  3. クセになる

ワンフレーズ

「噛み合わせが気になるほど、歯は当たり続けてしまいます」

5. スポーツによる影響

運動中に一時的に起こる「食いしばり」です。

どんな時に起こるの?

  • 重いものを持ち上げるとき
  • 力を一気に出すとき
  • 瞬間的に踏ん張るとき
  • 最大の力を出す瞬間に起こりやすい

なぜ起こるの?

体に力を入れると「関節を安定させる」「力を効率よく伝える」ために、一時的に噛みしめが起こります。

よくある例

実はこれ無駄な食いしばりを防ぐための行動でもあります。

重要なポイント

スポーツでの歯ぎしりは、強い力だが短時間だけです。

日常の歯ぎしりとの違い

スポーツ=強い・短時間
TCH(普段のクセ)=弱い・長時間

まとめ

「スポーツの食いしばりは基本的に問題になりにくいです」

ワンフレーズ

「運動中の食いしばりは一瞬、問題は“日常のクセ”です」

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