歯ぎしりの問題点 | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

歯ぎしりの問題点

起きている際の
歯ぎしり問題点

歯ぎしり問題点

  1. 歯周病の問題
  2. 虫歯の問題
  3. 知覚過敏の問題
  4. 顎関節への問題
  5. 舌への問題

歯周病の問題

歯周病は、歯の周りの骨を溶かす病気になります。骨がどんどん溶けると歯を支える骨が無くなりますので歯もどんどん揺れてしまいます。

では歯周病の患者さんに歯ぎしり食いしばりの持続的な弱い力が加わるとどうでしょうか?そう!歯周病の症状が助長されてしまいます。やはり歯周病で揺れ始めた揺れている歯に歯ぎしりは、痛恨の一撃になるでしょう。

やはり、歯周病にとって歯ぎしりは天敵となり
ます。

歯周病について

虫歯の問題

歯ぎしりをする人の虫歯で特徴的なのは、歯と歯の間に虫歯ができるという点です。

歯ぎしりをすることにより歯と歯の間がこすれます。擦れた部分は虫歯になりやすくなり、歯と歯の間で再石灰化も促す唾液も入り込んできにくいですので、虫歯になってしまいます。

歯と歯の間の虫歯は、そもそも横からの虫歯になりますので、深くなりやすいです。また、歯と歯の間の虫歯は、発見しずらいですので気づいたときには、神経に達していることもあります。
なので昼間のナイトガード・デイガードの装着を行い、歯と歯の間が擦れるのを予防することが最も重要となります。

虫歯について

知覚過敏の問題

歯ぎしり食いしばりと知覚過敏は、切っても切れない間になります。歯ぎしり食いしばりをすると歯のつけの根の部分が欠けてきます。

この欠けた部分が知覚過敏を巻き起こしますので、歯ぎしり食いしばりの患者さんのほとんどは、知覚過敏になっています。

知覚過敏

顎関節への問題

起きている際の歯ぎしり・食いしばりは、顎の関節円板へ弱いですが持続的な力が加わります。これにより関節炎板は、炎症を起こしますし、痛みの原因にもなりますね。

炎症が起こった状態で口を開け閉めすれば、そりゃー痛い訳です。

舌への問題

やはり昼間の歯ぎしり・食いしばりで大きな問題は、舌への圧痕です。

スマホをいじる際は多くの方が、下あごを胸に押し当てて上下の歯が接している状態で、口を閉じて陰圧形成をします。すると舌や頬に歯の後がつきます。あまりにも陰圧が強いと舌がただれたり、頬に口内炎ができやすくなったりします。

寝ている際の
歯ぎしり問題点

歯ぎしり問題点

  1. 歯ぎしりの音によるパートナーへの問題
  2. 朝起きると歯が痛い
  3. 口が開かない
  4. 歯の圧迫感
  5. 歯が浮いた感じ
  6. 歯が削れる
  7. 歯根破折
  8. 被せ物が割れる、外れる
  9. インプラントが壊れる
  10. 肩こり、頭痛
  11. 舌への問題

歯ぎしりの音によるパートナーへの問題

夜寝ている時の歯ぎしりの音で彼女と別れたという友人がいました。最新版歯ぎしりの原因でも書きましたが、基本的に歯ぎしり・食いしばりは、誰でも行っています。それが強いか?弱いか?で音が出るか?出ないか?が決まってくるわけです。

歯ぎしりの音が強い方は、正直隣で寝ることができない程の音量となる事も多々あります。ですが歯ぎしり・食いしばりをしている時間は、多少前後するかもしれませんが1晩に約15分と言われていますので、そこから考えるとそこまで長い時間歯ぎしり・食いしばりをしているわけではないですので、大目に見てあげるのもひとつだと思います。

また、眠りの深いノンレム睡眠から眠りの浅いレム睡眠へ移行するサイクルは、寝ている間に3回くらいですので、3回×5分=約15分をどのように凌ぐかがポイントになります。

歯ぎしりの詳しい原因

朝起きると歯が痛い

寝ている際の歯ぎしり・食いしばりの大きな特徴は、朝起きると歯が痛いです!朝というのがポイントです。そこからしばらくすると痛みが和らいだいう患者さんが非常に多いです。

なぜかというと歯の周りには、歯根膜と呼ばれる歯を支える毛細血管の膜があります。この毛細血管を歯ぎしり・食いしばりの強い力で圧迫しますとそりゃ痛くないわけないですよね。痛い訳です。患者さんによっては、歯と歯を合わせるだけで飛び上がるように痛いと言いますが、ずっと正座して突然立ち上がった時に走るあの痛みと同じだと思ってください。

口が開かない

顎関節には、関節円板と呼ばれる軟骨でできた帽子が乗っており、その帽子と共に口が開いたり閉じたりするわけです。しかし、どうでしょうか?その柔らかい軟骨に歯ぎしり・食いしばりにより強い力が5分くらいずっと加わったら、歯1本へ加わる圧は、約100キロですので、相当な力です。顎関節の関節円板そりゃー変形しますし、帽子ごと落ちてしまいます。すると口が開かなくなるわけです。

だいたい皆様、想像して頂ければわかるかと思いますが、想像を遥かに超える力が顎関節に加わりますので、そりゃー口だって開かなくなりますよね。

歯の圧迫感

朝起きると歯が痛いでも書きましたが、ずっと正座していて、突然立ち上がるとびーーーんというしびれが走りますよね。

歯の周りには、歯根膜と呼ばれるトランポリンで囲まれています。毛細血管にとんだ歯根膜が5分間グッと強い力で押し込まれます。その後、朝起きてから歯の圧迫感を絶対的に感じますよね。歯の周りは、髪の毛が口の中に入っただけでもわかるような繊細な器官ですので、強い力で押されたらなかなか歯の圧迫感は消えません。

歯が浮いた感じ

歯の圧迫感の逆になります。ずっと圧迫されていて、突然強い力から解放されると浮いた状態になります。前述もしておりますが、歯の周りには毛細血管に富んだ歯根膜があります。

こちらトランポリンの役割を果たす程柔らかいですので、強い力から解放された時に歯が浮いた感じとなります。

歯が削れる

歯の構造で1番外側は、宝石の真珠よりも硬いと言われるエナエル質です。ところが毎日毎日100キロの力が加わるとそりゃー削れてきます。

エナメル質の中の象牙質は、非常に柔らかいですので、そこまで削れると一気に削れ始めます。削れた歯の症状として1番多いのは、しみると言うことです。知覚過敏のようなしみる症状が削れたかむ面がしみるようになります。

歯根破折

歯の根の治療をした後に、金属の土台を入れて、歯を山型に削ってから、型を採って被せ物をします。しかし、この金属の土台は、歯よりも硬いですので歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が加わると歯の根が割れてしまう歯根破折という現象が起こります。

歯根破折した場合の1番の問題点は、その後の治療が非常に難しくなるという点です。歯根破折して期間が経つと周りの骨が溶けますので、インプラントをするにしてもブリッジするにしも義歯をするにしても、骨がないと非常に治療の難易度が上がります。

被せ物が割れる、外れる

寝ている間の歯ぎしり・食いしばりの力は、1歯辺り100kgの力が加わると言われています。セラミックの中でもe-maxやCADCAM冠などは、割れる可能性が高いです。100kgとは、お相撲さんが歯の上で暴れていると考えると想像がつきやすいかもしれません。

また、起きている間の覚醒時ブラキシズムは、そこまで強くない力でダラダラ力を加えてしまうので、セラミックなどのかぶせ物と歯との間のセメントへ力が加わり接着が剥がれてしまいます。その後、眠っている間に強い歯ぎしりが加わると被せ物が割れたり、外れたりするわけです。

セラミックとれた・われた

インプラントが壊れる

インプラントは、骨とインプラントがオッセオインテグレーションする骨結合で成り立っています。一度強固に骨結合が起こるとなかなか剥がれることはありませんが、この骨結合の唯一の天敵は、歯ぎしり食いしばりになります。

この歯ぎしり・食いしばりは、もう皆さんも理解したと思いますが、100kgの力が加わります。いくら強固に骨結合していても、この強い力が毎晩のように加われば壊れてしまうわけです。

また、強い力が加わりインプラントの骨結合が壊れない場合は、インプラントのかぶせ物をネジで止めていますが、そのネジが緩んだり折れたりします。緩むのであれば良いですが、折れた場合は、非常に厄介で折れたネジを取るのは至難の技となります。

インプラントのメーカーによっては、ネジの除去キッドがありますが、ないメーカーもありますし、あっても除去するのは結構難しいです。これを防ぐには、ナイトガードしかありません。毎晩、しっかりとナイトガードされて就寝されるのが、1番の予防になりますが、多くの患者さんがそれを忘れて、壊れたから思い出す方がほとんどです。

インプラントをされた方は、ナイトガードはマストです。そもそも天然の歯とインプラントでは、歯根の方向が違いますので力の加わるベクトルが違います。そのため、力を逃してあげるためにも、夜間のナイトガード装着はマストになります。

インプラントの失敗

肩こり、頭痛

歯ぎしりによって引き起こされる問題点を列挙してみます。

朝起きたときに、肩こり・頭痛・目の奥の痛み・耳鳴り・顎の関節の痛み等の症状がある場合、歯ぎしりが原因である可能性があります。睡眠障害にもなりやすいですし、隣で寝ている人にとっては、歯ぎしりの音が気になって眠れないという影響もあります。

歯ぎしりは眠りの浅いときに起こりやすく、同様に眠りの浅いときに起こる睡眠時無呼吸症候群と関連があるのではないかと言われています。なぜ?頭痛や肩こりが起こるのかというとかむ際に使う筋肉を咀嚼筋と呼び、咀嚼筋の中に側頭筋と呼ばれる筋肉があり、この筋肉は、頭の横側についています。

そのため、歯ぎしり食いしばりで強い緊張が筋肉に与えられると側頭筋にも影響が出て肩こりや頭痛の火種となります。多くの方が頭痛が起きると頭の横やこめかみを抑えると思うのですが、それは側頭筋が関係しています。

舌への問題

コロナ禍で増えた患者さんの1人が「舌が痛い。」という患者さんです。私の体感としては、今までの3倍くらいです。なので明らかに増えたと思っています。

では、この「舌が痛い。」ですが、原因は起きている間の歯ぎしり食いしばりが原因だと思っています。人間は、口を開けたまま食いしばることができません。試しに皆さんもお口を開けたたまま水を飲み込んでみてください。多分、飲み込めないと思います。

何が言いたいかと言いますと、歯ぎしり食いしばりをするときは、必ず、口を閉じて口の中を陰圧にしているので、舌や頬を吸う形となり、舌や頬が痛みを出すという流れとなります。

なので歯ぎしり食いしばりが強い方の舌や頬を観察すると多くの方が、歯の後がついています。ひどいう人だとそれにより出血する場合もあります。これを予防するには、ナイトガードしかありません。昼間の起きている間の覚醒時ブラキシズムですので、ナイトガードよりもディガードで、少し薄めの物でも良いかもしれません。

まとめ

歯ぎしり食いしばりの問題点を挙げました。皆さんは、どれだけ当てはまりましたか?

歯ぎしり食いしばりは、様々な問題点と絡んでおり、歯科医師にとっても非常に難儀な問題となっています。
なぜならば、せっかく治した歯が虫歯や歯周病でどんどん悪くなっていくからです。

我々も歯ぎしりだけは、防ぐことができないので気がついたときには、歯が揺れていたり、気がついたときには、虫歯が大きく進行していたりと本当に多くのトラブルを持ってくる歯ぎしり食いしばりですので、どうか皆さん正しい知識を持ちナイトガードを装着しましょう。

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