ボトックスを何度か打ち続けていると、効果の持続時間が長くなると言われています。その理由をご説明します。
噛む筋肉は実は全部で4つあります。ボトックスを打つ筋肉はこのうちの最も強い咬筋と呼ばれるエラの筋肉です。この筋肉がボトックスにより弱くなっている間、他の3つの筋肉が噛む力を支えます。ボトックスを打ち始めた頃は咬筋の筋力は戻り、また元の通り4つの筋肉が協調して噛むようになってしまいますが、筋トレをしないと筋肉は徐々に落ちていきますよね。
現在の治療費と異なる場合がございます。最新の治療費は料金表をご確認ください。
歯ぎしり食いしばりの強い方のボトックス注射前と、注射14日後の比較動画です。
ボトックスを打ってから2週間経つと筋肉のコブが無くなりました。
ボトックスについて
毎日歯ぎしり予防のためにナイトガードを装着しても、中には3ヶ月もしないうちにナイトガードに穴が開いてしまう患者さんもいらっしゃいます。
真剣に自分の歯ぎしりの強さに悩まれており、これ以上歯周病を助長したら、かぶせ物が壊れたら、顎関節症がひどくなったらと頭を抱えている患者さんもいらっしゃいます。
実は私も頭を抱えている内の1人になります。夜間の歯ぎしりの他に昼間の咬みしめもあるので、薄いナイトガードも装着していますが、写真のようにハードのナイトガードが3ヶ月もしないうちに穴が開いてきてしまいます。
数年前よりボツリヌス治療を開始しました。以前は、毎日歯ぎしり・食いしばりに悩まされていましたが、現在は、非常に穏やかな毎日を過ごすことができています。
皆さんは、ボツリヌスよりもボトックスという名前の方が馴染みが深いのではと思います。実は、ボツリヌスもボトックスも一緒ってご存知でしたか?「ボトックス」は、商品名になります。
現在、コロナが流行っていますので皆さんもお分かりかと思いますが、ファイザー社製のコミナティという名前のワクチンを打っている訳ですので、コロナ=コミナティみたいな感じです。
ボツリヌス治療は、筋肉に注射することで筋肉の働きを減弱することを目的とした治療になります。身体の中で最も強い筋肉は、どこでしょうか?答えは、咬筋です。
多くの方々が、大胸筋とか上腕二頭筋とおっしゃいますが、1番強い筋肉は咬筋になります。この咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射することで、筋肉の働きを減弱させて萎縮させることで、歯ぎしり食いしばりの力を弱くする治療方法になります。えっ注射するの?と嫌悪感を持たれる方も多いですが、要は筋肉注射なので、インフルエンザやコロナの注射と同じくらいの痛みになりますので、そこまでそこまで恐れなくても大丈夫です。
咬筋にボツリヌス治療を行うと筋力が減弱して、歯ぎしりや食いしばりの力が明らかに弱くなります。私の場合は、食べ物を食べる際に少し硬い物は、億劫だなと思うくらい筋力が低力した感覚がありました。
例えば、苦労した食べ物は、イカやタコなどの軟体動物系は、咬みちぎるのに時間を有しました。全く食べれなくことはありませんので、その点は安心してください。
効果・症例
歯ぎしりにボトックス注射を打つことで、どのくらいの効果が実感できるのか?と疑問に思われる方もいると思います。
そのため、なかなか踏み出せないという患者様もいるのではないでしょうか。
ボトックス注射前後( Before/ After)の写真を見るとはっきりと違いがでています。
Before写真では、噛むと咬筋(歯を食いしばった時に顎の外側で硬くなる筋肉)の部分にコブができるくらい盛り上がっているのが分かると思います。
After写真では、歯を食いしばってもコブができないことがお分かり頂けると思います。
ボトックス注射の効果は、患者様により効果に個人差はありますが、ある程度治療効果はみられると思います。
歯ぎしり食いしばりボトックス治療を効果・期間
ボトックス注射をした後、だいたい2~3日くらいで効果が徐々に現れます。注射をして直ぐに効果が現れば良いのですが、そうでもなくやはり時間がある程度かかります。1週間後には、かなり効果を感じる方が多いです。その後、人にもよりますが4〜6ヶ月くらいの効果が持続します。
私の場合は、いつも4か月おきに(年に3回)ボトックスを注射して効果が切れないようにしています。患者さんによって持続期間は異なりますので、自分に合った期間を見つけるとより効果的かと思います。また、ボトックスを注射することで歯ぎしり・食いしばりをしなくなったいう患者さんもいらっしゃりますので、効果を見極めながら注射する必要があります。
ボトックス治療は、効果の期間は人により様々ですが、ある程度の期間で効果はなくなっていきますので、その点において逆に安心して使用することができる薬でもあります。
メリット・デメリット
流れ・時間
ボトックス治療の時間ですが、初診時の問診票の記入や問診や診査・診断や治療を行なって約1時間になります。
次回以降でボトックス治療のみの治療時間は、30分になります。
ボトックスを何度か打ち続けていると、効果の持続時間が長くなると言われています。その理由をご説明します。
噛む筋肉は実は全部で4つあります。ボトックスを打つ筋肉はこのうちの最も強い咬筋と呼ばれるエラの筋肉です。この筋肉がボトックスにより弱くなっている間、他の3つの筋肉が噛む力を支えます。ボトックスを打ち始めた頃は咬筋の筋力は戻り、また元の通り4つの筋肉が協調して噛むようになってしまいますが、筋トレをしないと筋肉は徐々に落ちていきますよね。
ボトックスを繰り返し打つことで、徐々に3つの筋肉で噛む癖ができてきます。この癖が強くなると、ボトックスの効果が切れてきても咬筋があまり使われることなく、再び鍛えられることが少なくなります。この癖の定着が、戻りにくくなる理由の1つと言われています。
また、短期間でボトックスを打ち過ぎてしまうと抗体ができるとも言われています。最低でも3ヶ月ほどあけると、体内に抗体を作らず効果を弱めないでしょう。次に打つ時期に関しては、元々の筋肉の発達具合やボトックス後の戻り具合によりますので、歯科医師と相談してみてください。
ボトックス治療の費用は、両側の咬筋への注射で、33,000円(税込)となります。初診時は、お口の中の検査・診査も行いますので、3,000円弱の費用がかかります。また、顎関節の状態を確認するためにCTの撮影が必要な場合は、プラス3,000円必要となる場合があります。
歯ぎしりへの効果が初めてのボトックスでは、1週間経っても感じられないことも稀にありますのであらかじめご了承ください。効果の程度による保証は致しかねますのでご了承ください。
歯ぎしりへのボトックス治療は、医療費控除の対象となります。注意点としましては、同じボトックスの治療でも美容目的に口角を上げるとかエラの張りを押さえるという治療は、医療費控除対象外となりますのでご注意ください。
治療副作用
よくある質問
歯ぎしりをされる方にボトックスを注射する際は、咬筋と呼ばれる咀嚼筋に打ちます。
抗菌は、頬骨を起始として、下顎骨に斜めに走っていますので、その下顎骨停止部に、
注射を行います。
写真でいうBRUXISMという部分になります。多くの歯ぎしり・食いしばりを行なっている方は、この部分が張っており良くエラが張っていると表現される方が多いです。
多くの患者さんが、朝起きて楽になった!肩こりが楽になった!
今まで眠りが浅かったけど良く眠れるようになったとおっしゃいますが、中には、効果が薄く変わらないとおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
ボトックスの効果は、人によって様々になります。効果が顕著に出る方もいればなかなか効果が現れない方もいらっしゃいます。
また、量や回数を多くすれば効果が現れやすいのではないか?ということで量や回数を増やしたりすることもありますが、これまた効果は、人によって様々でした。
なので一概に量や回数を増やしたからといって効果が良くなるわけでもないようです。
ボトックスの効果期間は、平均で4から6ヶ月になります。早い方ですと2から3日で効果が現れて、顎が軽くなったとおっしゃいます。
多くの方は、その効果が4ヶ月くらい持続する事が多いですが、中には効果が1ヶ月くらいでなくなったという方もいらっしゃいますので、どれくらいの効果期間があるのかという質問にも、はっきりとした答えをお伝えすることが、
難しいのが現状です。
ボトックスを打つことにより、脳より筋肉を動かす指令を伝える神経伝達物質(アセチルコリン)の分泌を抑えて、噛む際に使用する咬筋の働きを減弱させる効果がありますが、これがどれだけ作用している期間は、未だに不明となっております。
歯ぎしり・食いしばり治療でボトックスが保険適用となることは、まずありません。
唯一認められているのは、「口顎ジストニア」の患者さんになります。
口顎ジストニアとは、自分の意思とは関係なく筋肉が動いてしまい、歯ぎしり・食いしばりを行なってしまう疾患になります。
特徴としては、顔を上手く動かせない、勝手に顔の筋肉が動いてしまう、口が思うように開かない、口が思うように閉じないという現象が起こります。
口顎ジストニアの原因は、不明となっており、運動野をつかさどる大脳の異常だと言われていますが、実際のところはわかっていません。
この口顎ジストニアに対して、ボトックス治療が一定の効果があると言われており、大学病院などの大きな医療機関で行われていますが、一般の保険医療機関で行なっている歯科医院はないと思います。
ボトックスは、商品名です。正式名称は、ボツリヌス毒素製剤による治療となります。ボトックスは、日本国内では医師のみ購入が可能な薬品となっています。また、ボツリヌス毒素製剤の添付文書に咀嚼筋への使用記載はありません。
ボツリヌス毒素製剤が咀嚼筋への応用は、適応外処方となります。しかし、我々の歯科医院では、歯ぎしり・食いしばりの強度を一定期間低下させる効果があることから、患者さんと使用者との双方が上記の内容を説明し理解した上で使用することにしています。
ボツリヌス毒素製剤は、上記の内容をきちんと理解した上で、使用すれば歯ぎしり・食いしばりで悩まされて睡眠不足などに陥ったり、歯根破折や歯が削れたり、顎関節症で悩まされたりしている患者さんに有効な治療方法のひとつです。治療を受ける前に主治医のドクターと良くコミュニケーションをとってから治療に臨むことを推奨します。
歯ぎしり改善の治療方法・当院で使用しているボツリヌストキシン製剤は、厚生労働省により承認された医薬品ではなく未承認の医薬品となります。
・入手経路は「医師等の個人輸入」による個人輸入となります。予見できない重大な健康被害等は報告されておりません。
・諸外国における安全性等に係る情報:当院で使用している薬剤はKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を受けています。
・国内の承認医薬品等の有無について:国内では、ボトックスビスタ(アラガン) が厚生労働省認可を取得している製剤です。