入れ歯が動いて話もできない症例 | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

入れ歯が動いて話もできない症例

患者さま情報

年齢・性別 70代・女性
主訴 入れ歯が動いて話もできない。
歯を失ってとめ金で入れ歯をとめることができなくなり、入れ歯がガクガク動いてしまい話もできません。
何とかなりませんか?という入れ歯相談にいらした患者さんでした。
入れ歯が動いて食べることもできないので、外出もしなくなりどんどん孤独になっているとのことでした。
治療内容 上あご部分入れ歯でと下あご総入れ歯治療
治療期間 4ヶ月〜6ヶ月
治療費 保険入れ歯(義歯)トータル約20,000円
リスク・副作用 今回治療用義歯を用いて、患者さんの咬み合わせを調整しましたが、上手く咬めない場合もあります。
また、骨隆起が大きいために上あごの入れ歯が安定しないこともあります。

治療経過のご説明

初診時お口の中

さてお口の中に入っている入れ歯です。
はい、噛んでください!でこの状態です。
全く左右の歯が噛んでいません。上下の歯が噛み合わないので、食事で食べ物をすり潰すこともできません。
はてさて困った状態の入れ歯になります。

入れ歯お口の外(正面)

お口の外で入れ歯を合わせてみると一応噛み合います。
しかしお口の中に入れて噛み合わせると上下左右の歯が噛み合いません。

入れ歯お口の外(右・左)

横から見てみるとこれまたしっかりとお口の外ですと噛んでいます。
ということは、入れ歯を作った時は、きちんと噛んでいたのかもしれません。
そこからだんだんに顎の位置がずれていったのかもしれません。

噛んでない銀歯

お口の中に入れ歯を入れて横から見てみると銀歯は、下の入れ歯と全然噛んでいません。

左奥銀歯から出血

奥の銀歯は、歯ぐきから出血しており、もうぷらぷらの状態です。
んーーーどうしたら良いでしょうか?

レントゲン

レントゲンを見ても奥の銀歯は、助けられそうにありません。

骨隆起

しかもこの患者さんは、上あごに大きな骨隆起(矢印)があります。
歯を全て失ってバネをかける場所がなくなると、もー全てアウトです。こんな大きな骨隆起を覆うような入れ歯は作れませんし、違和感が大きくなります。
先にも後にも難しいケースの患者さんになります。

顔貌写真

お顔を見てみましょう。左右の顎の筋肉のつき方が全然違いますね。
つまり左右対称(シンメトリー)ではないので、向かって左側のあごが膨らんでます。
唇も一文字にはなっていません。向かって左下がりです。

粘膜調整剤

ということでこのままですと入れ歯が合っていないので、全く噛めないですし、どうにか噛めるようにしたいということで、ダメな歯を抜歯して入れ歯に組み込んで、合わない入れ歯を何とか粘膜調整剤を用いて合わせました。
あれっ?なんか結構まともな噛み合わせに戻ってきてます。

模型製作

ということで治療用の入れ歯をまず初めに作製します。
その後噛み合わせの調整などを経てから、2個目の入れ歯を作製すると伝えました。
精密な型採りを行い模型を作ります。

咬合床の作製

入れ歯の噛み合わせを採るための装置を作製します。
私の場合、患者さんのもとあった歯の位置にピンクの蝋を盛り上げます。

人工歯排列試適

人工の歯を蝋燭のロウの上に並べて、見た目や噛み合わせをチェックします。問題なければ噛み合わせを再度採って終了です。次回は、治療用の入れ歯が完成になります。

治療用の入れ歯完成

治療用の入れ歯が完成になります。
ワオーーー我ながらキレイに仕上がりました。上下左右のバランスも非常に良いのではと思います。
お口の中に馴染むまで治療用の入れ歯を調整します。

動画

治療の入れ歯が馴染んできたときの動画です。初めていらした時は、話すことさえ難しかったですが、治療用の入れ歯を調整するとだんだんに問題なく噛めるようになりました。

コピーした入れ歯

調整の終わった入れ歯をコピーした入れ歯になります。
噛み合わせも良い状態になりましたので、今の治療用の入れ歯をコピーして、最終的な入れ歯の製作に入ります。
この入れ歯をコピーする技術は、企業秘密になります。
ある方法を追加するとコピーした入れ歯の精度が高くなりますので、ピタッとした入れ歯に仕上がります。

コピーした入れ歯を用いて、噛み合わせと精密な型採りを行います。
治療用の入れ歯で噛めることを確認しているので、それをコピーすることで最終的な入れ歯も噛める状態になると予想しています。

最終的な入れ歯の完成です。
上下左右のバランスを考えて入れ歯の歯を並べて完成しているので、正面から見た時に上下左右の対称性がありますね。
やはり噛める入れ歯は、見た目も良いです。

患者さんの希望もあり、キレイキレイを行い、入れ歯に汚れやバクテリアをつきにくくします。

治療前後の比較

初診時の噛めない入れ歯を装着した顔貌写真
最終的な入れ歯を装着した写真です。
いかがですか?初診時は、向かって左側の頬が出っ張っていますよね。
唇も左下がりでしたが、一文字に変わっています。
入れ歯が噛めるだけでもこんなに顔つきが変わるんですね。

動画を見てみるとカチカチもですが、ギリギリした際にスムーズに入れ歯が動いていますね。
痛みのある入れ歯ですとギリギリでどこかが強く当たるのでスムーズな動きができません。

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