CTやマイクロといった大学病院にしか置かれていなかった機材も時代の進歩と共に一般の歯科医院でも導入できるような大きさと価格になったこともあり、以前に比べると大学病院と歯科医院の設備に大差はないと思います。
しかし新しい形状のインプラントやCT、画像分析ソフトなどは、より優れたものへと進化を続けるため、より良い治療のためには、設備投資が必要です。
CTや手術用器具の滅菌に使用する大型の滅菌器など、インプラント手術のための設備は高額な物が多くあるため、歯科医院により投資できる設備や機材に差が生じ、インプラント費用も異なると思います。
インプラント費用が歯科医院によって異なるのは、なぜ?
歯科医院により使用するインプラントメーカーが異なる
全世界には200社に及ぶインプラントメーカーがあります。またその商品には、数種類のインプラントがあります。
メーカーごとに、同じメーカーのものでも種類ごとに価格がそれぞれ設定されています。そのため、歯科医院がどのメーカーのどのインプラントを使用するかにより、インプラント費用も変わります。
世界4大インプラントメーカー
- ストローマン(スイス)
- ノーベルバイオケア(スイス)
- ジンヴィ(アメリカ)
- アストラテック(スエーデン)
世界中の歯科医師に選ばれる4大メーカーのインプラントは、信頼度が高い物で、これらのインプラントメーカーの価格帯は同じくらいです。
特にインプラントと骨の結合が得やすいメーカーの商品は品質が高く、その価値がある分、高価な傾向にあります。
品質と価格などから使用する歯科医師が厳選したものを歯科医院で取り扱います。
歯科医院により設備が異なる

歯科医院により保証内容が異なる
インプラント治療には、多くの歯科医院が保証制度を設けています。インプラントの保証は10年、被せ物の保証は5年が平均的な保証期間です。
しかし、インプラント費用が安く保証制度がない場合も多くあります。
インプラント治療を比較する際は、これよりも保証期間が長いか短いかを見るとともにインプラント治療費用平均:35万円よりも価格が高いか安いかを確認して、検討すると良いと思います。

歯科医師の技術が異なる
技術の差はどの分野にもあるように、歯科医師も人間ですから上手い下手はあります。その中でも技術力を確かめる方法の一つに専門医を取得していることが挙げられます。
日本口腔インプラント学会が認定した専門医は、インプラント症例実績や難関試験をパスした知識だけでなく経験と実績が伴う歯科医師のみ取得できる資格です。この資格をもっていなくても技術がある歯科医師はいますが、探すことは非常に困難です。
美容院に技術料があるように、技術的に優れた歯科医師は、インプラント費用設定も高くなります。

歯科医院により立地が異なる
都心部に比べて遠方部では、家賃や土地の価格が低く抑えられるため、インプラントの費用を安く抑えることができます。
都心部のインプラント平均費用35〜45万円に比べて、遠方部では平均費用30〜40万円といわれています。
確かに5万程安い傾向にありますが、治療中や治療後の定期検診でメンテナンスに通うこと、そしてトラブルがあった際に通いやすい歯科医院を利便性などを含め総合的に判断して選択する必要があります。

歯科技工士の技術が異なる
歯科医院により、インプラントの被せ物を製作する歯科技工士が違います。当然ですが、被せ物を製作する歯科技工士にもレベルがあります。インプラント技工の知識レベルや技術力が高く、人気のある歯科技工士は、当然インプラントの技工料も高くなります。
このインプラント技工料は、患者さまへ提供する価格に反映されるため、上手い歯科技工士に技工を依頼する歯科医院は、それなりのインプラント費用になります。
また、今後、歯科技工士は減少傾向にあるため、インプラント技工費用が安くなることは考えにくいのが現状です。むしろ今後は、更に上がっていくことが推測され、患者さまに提供するインプラント費用も値上がりすると考えられます。

安いインプラントは、問題か?
安いと何か問題があるのでは?と考える方も多いかもしれません。
個人的見解ですが、安いインプラントでもお口の中でしっかりと機能しているインプラントもあります。安いインプラントが悪いわけではなく、お口の中の条件が整っていないければ、安いインプラントが長い間お口の中で機能し続けるのは難しいと考えます。
安いインプラントは、いつも以上に毎食後しっかりと歯ブラシをして、就寝時はナイトガードを装着して、定期的に歯のクリーニングを繰り返す必要があります。これはどのインプラントでも同じことですが、価格が安いインプラントでは、より一層お口の中を清潔に保つ必要があると考えます。

虫歯や歯周病で歯を多数失った患者さまは、インプラント治療でのリスクが高いため、安いワンピースインプラントよりも歯周病に強いインプラントを選択した方が良いですし、歯ぎしり・食いしばりによる歯根破折で歯を失った患者さまは、骨との結合が強いインプラントを選択した方が良いと思います。
いずれの場合も安いインプラントが問題なのではなく、ご自身に合ったインプラントを選択することが、重要となりますので、価格だけで判断しない方が良いと思います。
まとめ
インプラント費用が歯科医院によって異なる主な理由は、次のとおりです。
- 使用するインプラントメーカで違う!
- 歯科医院の設備で違う!
- インプラント保証内容で違う!
- 歯科医師の技術で違う!
- 歯科医院の立地で違う!
- 歯科技工士の技術で違う!
様々な理由がありますね。
歯科医院を選択される際にインプラント費用はもちろん重要ですが、その他の価値も参考にして選ぶと良いと思います。渋谷歯科のインプラント費用が気になりましたら、クリックお願いします。