インプラントとは?
歯科医院で歯を抜くと必ずと言っていいほど、次の治療をどうするのか?を聞かれます。インプラントか入れ歯かブリッジ?どうしますか?
ほとんどの患者さんは、そこで初めて「インプラント」というワードを耳にして、考えますと答えるのではないでしょうか?「インプラント」ってなんだろう?
当法⼈の理事⻑は、⽇本⼝腔インプラント学会 専修医および⽇本補綴⻭科学会 専⾨医です。各学会認定のインプラントおよび咬み合わせの技術と知識をもって、インプラント治療を⾏っております。
しっかり噛んで、思い切り笑って過ごしていただくために。治療後のメンテナンスを含め、治療いたします。
歯科医院で歯を抜くと必ずと言っていいほど、次の治療をどうするのか?を聞かれます。インプラントか入れ歯かブリッジ?どうしますか?
ほとんどの患者さんは、そこで初めて「インプラント」というワードを耳にして、考えますと答えるのではないでしょうか?「インプラント」ってなんだろう?
突然インプラントと言われてもわからないよ!という患者さんのためにわかりやすくインプラント説明します。
インプラントとは?簡単に言えば人工歯根です。歯を抜歯すると歯の根がないので差し歯をすることができません。
しかし、インプラントの登場により、人工的に歯根を作ることに成功しました。インプラントと言っても実は、様々な形状のインプラントが以前は、存在していましたが、現在の歯根型のインプラントが発売されるようになってから、まだ50年くらいしか経っていません。
骨の中に埋入するネジの部分を「インプラント」と呼んでいます。このインプラントをフィクスチャーと呼ぶ方もいます。 上のかぶせ物を「上部構造」と呼び、インプラントと上部構造をつなぐ部分を「支台部(アバットメント)」と呼びます。
基本的なインプラントは、この3つの構造から成り立っています。まれにインプラントと支台部がくっついている2ピースタイプもありますが、あまり予後が良くないという点から最近では、扱われなくなってきています。
インプラントの費用相場は、1本約40万円です。
この中にお薬代やインプラント設計費用やレントゲンや仮歯などが、含まれている場合とそうではない場合があります。
インプラントの費用と言った場合に、全てが含まれた40万円なのか?そうではない40万円なのか?でインプラント治療総費用が変わってきます。この違いを理解されておらず結局、こんだけ費用がかかったと言われる患者さんが多くいらっしゃいます。
インプラントは、なぜ?そんなに高いのか?と言われる患者さんも多いのですが、そもそもご自分の歯1本の価値は、どれくらいあると思いですか?ざっと見積もるとお口の中の価値は、2,500〜3,000万円以上だと言われています。となると歯1本の価値は、歯の本数(28本)で割ると1本約100万円弱になります。インプラントは、その半分以下の費用ですので、私は安いのではないかと思います。歯を大事に毎日磨かれて方は、それだけで節約を日々行なっていることになります。
インプラントの費用そもそもですが、保険治療とは何でしょうか?保険診療とは、日本国民が最低限度の医療を決まった金額(3割負担)で受ける事ができる日本特有の医療制度となります。
海外では、日本のような保険制度はありません。そのため、救急車を呼んだだけで海外では何万円もかかってしまうわけです。医療は、非常に高価なものということが海外人の頭の中にあります。
しかし、日本はどうでしょうか?毎月特定の保険料を納めることで、救急車を何度呼んでも金額はかかりません。
保険治療の費用は、全て我々が毎月支払う保険料で成り立っていることになります。
では、インプラントを保険で賄えるようにするには、我々は今の倍近く保険料を納めなくては、採算取れないということですので、あまり現実的な話ではないようです。また、高齢者がどんどん増える中でインプラントを保険で認めてしまったら、保険が破綻することになりそうですね。インプラントを保険でカバーできるようになるには、まだまだ我々が頑張って日本を裕福な国にしないとです。
そんな日本健康保険事情ですが、なんとインプラントが保険で認められる場合があります。以下のケースになります。
上記のように限られたケースの場合のみインプラント治療が適用となり、加齢により歯周病で歯を失ったケースなどに適応はしていません。
インプラントの種類は、全世界に200種類以上あり、日本のメーカーは40社以上あります。
どこの国のどのメーカーが良いいのか?患者さんに聞いても説明してもわからない場合が、ほとんどです。
なぜなら、歯科医師の私でさえインプラント全てのメーカーがどのような特色があって、何が良くて何が悪いのか?理解できないからです。また、メーカー内でもインプラント種類が4〜5つあり、一時期は、毎年のように新しいインプラントが発売されている事もありました。
インプラントは、上記8種類のメーカーの物を扱っている歯科医院が日本で多いです。
歯を失った際に、現在まで最も多く選択されている治療は、ブリッジになります。隣の歯削りかぶせ物で橋渡しをするので、ブリッジというネーミングがつきました。
治療期間も短く、患者さんの負担が軽いということが、何よりもメリットだと思います。デメリットは、隣の健康な歯を削ると3本の歯を2本で支えますのでいつか荷重負担でどちらかの歯が揺れ始めます。そのため、歯がない部分がどんどん拡大していく恐れがあります。
ブリッジという歯は、橋渡しですので、決して悪い治療法ではなく、夜間の歯ぎしりや食いしばりなどきちんと力をコントロールして、維持していくことができれば非常に素晴らしい治療の1つです。
歯を失った際に、隣の歯を削りたくないと言った場合に、1番オーソドックスな方法として入れ歯治療があります。
写真を見るとわかると思いますが、金属のバネを用いて隣の歯で固定する方法になります。しかし、あくまでもバネですので動いてしまうことを考慮する必要があります。
また、入れ歯はただのプラスティックですので、噛む力は天然の歯の20〜30%くらいと言われています。入れ歯を初めて装着した患者さんから言われるのは、こんなんじゃ何も噛めないから入れ歯をしない方がましだよの一言です。本当そうなんですが、歯を失う代償はそれほどに大きいということです。
歯を失った時の新しい治療方法として誕生したのが、インプラント治療です。
写真のように、隣の歯を削らなくて良いというのが、なんと言っても1番のメリットだと思います。
噛む力は、天然の歯と同じですので、ほとんど気にならずに噛むことができますが、天然の歯のように歯根膜はないので、噛みしめる感覚などは異なります。
インプラントはメリットばかりのように思えるかもしれませんが、デメリットもありますので、治療を受ける前にしっかりと理解しておきましょう。
インプラントは、歯周病にさえならなければ半永久的に使用することができます。しかし、上部構造のかぶせ物は、10年に一度くらいのやり換えが必要となります。
上部構造も毎日毎日噛んで入れ歯すり減っていきます。約10年くらいしたら、やり変える必要があります。例えるなら自動車のタイヤと同じです。毎日毎日車で走っていればタイヤもすり減って変える時期が来ると思います。インプラントのかぶせ物も同じとなります。
写真は、インプラントの周りが歯周病で骨が吸収している状態になります。インプラントの周りが黒くなっているのがわかりますでしょうか?歯周病になると周りの骨が溶けてしまうので、インプラントもグラグラとゆれる様になり、最終的には脱落してしまいます。
医療費控除は、非常にお財布に優しい制度ですが、複雑な感じがすると良く言われますので、できるだけわかりやすく説明しますと、払った医療費が控除されるという仕組みです。
もっとわかりやすく伝えると一般的な家庭で、年間医療費が100万円かかった場合に、医療費控除を申請すると医療費控除が30万円で、税金が6万円安くなると聞くときちんと申請した方が、良いと思いませんか?
インプラント治療を受けた場合も医療費控除を申請すると税金が安くなるので利用しない手は、ないと思いませんか?
通常、上顎で3ヶ月、下顎で2ヶ月の治療期間がかかります。
通常、上顎で3ヶ月、下顎で2ヶ月の治療期間がかかります。
上記の内容がオーソドックスなインプラントの流れになります。骨の造成や仮歯での治療やインプラントも様々な複雑な治療があります。
骨や歯肉が十分にある患者さんは、ほぼ腫れることがありません。しかし、骨や歯肉がない場合は、インプラント手術の際に腫れて痛みが出ることが予想されます。
インプラント治療後の痛みは、ほぼ歯肉や噛み合わせのトラブルになります。インプラントは、治療を行って終わりではなく、その後の自分でのメンテナンスや定期検診のクリーニングで維持していかなければならないことを忘れないで下さい。
1、インプラントは、虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。日々のメンテナンスを怠ると天然歯と同じように汚れが蓄積して、歯周病になり痛みが出た頃には、手遅れと言う事があります。そのため、歯のあった頃以上に日々の歯ブラシやフロスを丁寧に行い、定期検診でチェックとプロフェッショナルクリーニングを繰り返しましょう。
2、タバコや全身疾患による歯肉へのダメージにより、歯周病が起こり、炎症性の反応で痛みが起こる場合があります。歯を失う原因が歯周病であった場合、そもそも歯周病菌に対して、免疫反応が弱い事が考えられます。そんな状態でタバコを吸えば、歯肉への血流が阻害されますので、また、同じことの繰り返しになってしまいます。インプラントを行うのであれば禁煙しましょう!
3、歯ぎしり・食いしばりにより、インプラント周囲の骨が溶けて痛みを起こします。歯ぎしりは、体重の1.5倍の力で歯をギリギリしてしまいます。就寝中に歯ぎしり・食いしばりをしますので、本人は気づいていない事が多いです。歯を失う原因が歯ぎしり・食いしばり・歯根ハセツだった場合は、インプラント治療後に同じように歯ぎしり・食いしばりで痛みが出てインプラントを失うことが多いです。また、それだけではなくインプラントの対合する歯を壊してしまい痛みが出ることもあります。インプラント後は、ナイトガードの装着を心がけてください。
4、セメントタイプインプラントのかぶせ物の場合、インプラントのかぶせ物の周りや歯肉の下にセメントが残ってしまい、炎症を起こして痛みを発する事があります。現在は、セメントタイプよりもねじ止めタイプのインプラントが主流ですので、そのような現象が少なくなってきましたが、セメントタイプのインプラントは、歯肉のトラブルが多いですので、注意したいところです。
どんな治療であれ、治療リスクが0%と言うことはありません。インプラントも同様に全て問題なく成功率0%と言う治療方法ではありません。また、良くインプラント治療成功率90%以上などと謳っている事もありますが、何を持って成功としているか?は、論文によっても違ってきますので、全てを同じように比較することも難しいのが現状です。では、インプラント治療において考えられるリスクを以下に列挙しますので、参考にしてください。
専門用語では、オッセオインテグレーションと呼びますが、通常、90%以上の確率で骨とインプラントは結合しますが、10本インプラントを行えば1本は、骨と結合しないという計算になります。
インプラントは、虫歯にはなりませんが、歯周病になります。なので日々のブラッシングやフロッシングと定期的なメンテナンスは、必須になります。
それに対して、天然の歯は動きますので、インプラントと天然の歯の間に隙間ができる事があります。これはリスクではありませんが、インプラント治療を受けるすべての人が知っておいて欲しい事柄になります。この隙間は、後からでも修理で埋めることができますので安心してください。
かぶせ物は一生物ではありません。だいたい10年くらい経ったらやりかえる必要があります。例えるならば自動車のタイヤです。毎日毎日10年乗っていたらタイヤもすり減ってきますよね。インプラントのかぶせ物も同じです。毎日毎日噛んでいたら
インプラントは、かぶせ物とを通常でネジで止めています。ネジで止めることにより、通常よりも強い力が加わった時は、ネジが緩むシステムになっています。そのため、患者さんは噛んで高い。カタカタするなどの違和感を感じます。その際は、すぐに歯科医院に連絡するようにしてください。想定外の力が加わった時には、インプラントのネジが緩む機構になっています。
患者さんの中には、どうしてもタバコを止める事ができないと言われる患者さんもいらっしゃいます。しかし、歯を失った原因が、タバコであった場合、いくらインプラントをしても、また、失うことになります。
日本歯周病学会では、「喫煙の歯周組織に与える影響」というポジションペーパー(学会見解論文)を発表しています。
その中に書かれている重要な箇所をピックアップしていますが、喫煙がインプラントや歯肉にとって良いと書いている部分は、ありません。インプラントを行う機会にご自身の健康を考えて禁煙した方が良いですね。
インプラント治療も失敗することはあります。これは医療でありますので、100%の治療はありません。
これを理解した上で歯科医院を選択する必要があります。インプラントは、失敗する可能性もありますので、それでも長い期間メンテナンスに通っても良いという歯科医院と歯科医師を選択する必要があります。
インプラントは、失敗することもありますが、写真のような抜け出せない状態ではなく、時間はかかりますが何らかの解決策があります。
ではインプラント失敗に関して、下記に列挙していきますので、参考にしてください。
こちらは、10本に1本くらいの確率で骨とインプラントが結合しない場合があります。このような場合は、再度インプラントを埋入することで対応できます。また、骨が少ないことによりインプラントが結合しない場合、骨の造成が必要になる事があります。
インプラントは、行う前にPCでシミュレーションを行い、方向や角度を確認して隣の歯とぶつからないように手術用ガイドを作成して、オペを行ったりします。以前に比べてこのシミュレーション・ガイドを用いることでほとんどの場合問題なくインプラントを埋入することができますが、ガイドや術者の経験不足などにより、方向を間違って埋入した場合上のかぶせ物で調整をしますが、難しい場合は、除去して再度埋入となり時間がかかります。
インプラントを行うためには、骨が必要です。骨がない場合は、骨の造成を行い、骨ができてから、もしくはインプラント埋入と同時に骨の造成を行いますが、通常、4〜6ヶ月で骨ができてきますが、なかなか骨ができない場合があります。骨ができない原因は、ほとんどの症例が造成した骨が動くことによって生着しないといった現象を起こします。例えば、仮歯用に入れた入れ歯がぶつかって造成した骨が動いたとか、造成した骨の部分を毎日触ってしまうことで、骨が生着しないとか原因は、様々です。骨ができない場合は、再度、骨の造成(GBR)を行う必要があるので時間がかかります。
インプラントの失敗最近は、非常にインプラント相談が多くなりました。患者さんもインターネットでご自分の状態を調べて不安に思ったり、やる前にどのようなリスクがあるか、やった後に自分の症状は、問題ないのか?と調べた事に自分が当てはまるのか?と言う不安で相談してくる方が多いです。
まずは、お気軽にご自分の症状や不安に思っていることを相談してみてください。
よくある質問-インプラント